僕の彼女はセクシー女優

来未 希(くるみ のぞみ)

第1話

僕には何も取り柄がない、得意な事、趣味、なにかしらの興味も抱かない

何の為に生きているのかとうとう分からなくなった。

そんな人生を送って早いもので24年が経った

神様は何かしらの影響を与える為に命を吹き込むのでは無いのか?

僕は生きていて影響を受けた人もいなければ与えた人もいないだろう

楽しい事?

嬉しい事?

幸せだった事?

全く記憶に無いのだけど

冷めてるだけ?

それすら分からないのだ

感情も無くてただ息を吸って生きているだけ

この人生、終わらせようかな、、、

こんな事を最近、考える様になった

いつもの様にお昼頃、散歩をして橋の上に立ち止まり下の川を眺めていた。

ひょっとして今日が最後の日なのか?

死ぬ日は突然くるもんだな

まぁ、誰も悲しがらないだろう

僕は、足を上げた、、、


「ちょっと!何してんのぉ!」


知らない女性が走りながら近寄ってきた


「ダメだよぉぉぉ!」

「ねぇっ!止めなぁ!」


女性は力強く僕の身体を引っ張り

橋に手をつけていたのを離そうとしている

僕はそこまで力を入れていなかったので簡単に後ろに転んでしまった。


「何があったのぉ?」

「死んだらこれから出会うであろう人にも出逢えないよぉ!楽しい事も嬉しいこともまだまだ沢山あるよぉ!まだ無いのかもしれない、悲しい事、苦しい事ばかりかもしれない!でもね、全て平等に起こるからぁ!今は辛い時ならこれから先は良い事が沢山あるからぁ!死ぬ選択肢はまだ早いよぉ!」


僕は、下を向いていた顔を少し上に向けた

そこには大泣きしている女性が居た


何で僕の為に泣いてるんですか?


「えっ!ほんとだぁ!君が変な事をしようとしているからぁ!逆に何で冷静なの?死のうとしてたんでしょ?」


はい、、、

生きてても楽しい事ないし

これと言った取り柄もないので

別に良いかなって


「馬鹿言わない!皆んな特別なものなんて持ってないよぉ!皆んな不安の中でも生きてるどんなに力持ちの人も頭が良い人も君だけじゃ無いよぉ!ねぇっ!」


僕は泣いている女性を見て

その人に好意を持ったのは言うまでも無い


「ねぇ?大丈夫?ちゃんと帰れるぅ?」


優しく言ってくれているのに

僕は何故か


大丈夫です。

としか言えなかった

そして、時間にしては短いと思うが

気持ちの中ではとても長い沈黙が続いていた。


「君、ちゃんと帰るんだよぉ!」


女性は立ち上がり手を差し伸べてくれた

その、手に捕まり僕も立ち上がった。


「それじゃぁ、ねぇっ!君にも私にも幸せになる権利があるんだからねぇ!」


そして、知らない女性と別れたのだ














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