~不完全~(『夢時代』より)

天川裕司

~不完全~(『夢時代』より)

~不完全~

 無論に息衝く不敗の奥義を小宙(そら)へ投げ掛け独行(どっこう)する内、幻想(ゆめ)の一重(ひとえ)に絹(シルク)を纏える不能の様子は久しく死んだ…。人間(ひと)の様子を過去に見たまま女性(おんな)の主観(あるじ)が時計を保(も)ち出し、暗(やみ)に乗じた四季(きせつ)の旅路へ不相(ふそう)を按じる文言(ことば)を述べれば、自己(おのれ)の幸(こう)から独歩(どくほ)を見抜ける不論と安堵は頷き合いつつ、幻想(ゆめ)の無刻(むこく)と調子を合せる暗(やみ)の静寂(しじま)を愛して在った…。

      *

 …二〇一四年七月三〇日五時二五分のメールの後(あと)でまた見た夢。

 従弟の流行少年が家(うち)に来て居た。暫く一緒に居ると、喧嘩ばかりして居た。それでもこれから暫くでも一緒に過ごさねば成らんからとして、一線は越えぬよう喧嘩をして居た。これがニートのあの従弟だったら…と思ったが、ニートであればもっと根本的な所で合わぬかも?と思う。

      *

 無に帰(き)す変動(うごき)の軌(あと)から自己(おのれ)の〝軌跡〟が延長するのは、幻想(ゆめ)と乱心(こころ)の初歩(いろは)の畔(ほとり)の虚空に見て取る人山(やま)の辺りで、一幻(ゆめ)に始まる小敗地(アジト)の空転(まろび)は穏やかなる儘〝感覚(いしき)〟を問うた…―――。一人(ひと)の初めに既知が就くのは暗(やみ)の未来(さき)での妄想ばかりで、暗い景色に人途(じんと)を与(あず)ける孤踏(ことう)の身重の身欲(よく)など晦まし、安(やす)み安(やす)みに甲斐を立て生く浮浪の気色の未曾有を保(も)った…。幻想(ゆめ)に始まる情事(こと)の寝言が虚空の感覚(いしき)を伝える間も無く、白亜(しろ)い四季(きせつ)に微動が息衝く旧い典型(タイプ)は〝女性(おんな)〟を装い、幻想(ゆめ)の主観(あるじ)に男性(おとこ)が貫く夜半(よわ)の四季(きせつ)は文明だけ観て、起死を好く観る〝不毛の小敗地(アジト)〟は鉄板から見た景色を保(も)った…。奇怪な主観(あるじ)をこの掌(て)に置くのは〝夜半(よわ)〟に活き尽(き)る夢想の眼(まなこ)で、漆黒(くろ)い小宙(そら)から〝一女(おんな)〟が散り生く不法を問い生く奇跡の空間(あいだ)は、幻想(ゆめ)に見送る人間(ひと)の景色と相乗効果を織り成し始めた…。虚無に努める不安の小敗地(アジト)は男児を好く見て〝女性(おんな)〟を空転(ころ)がせ、分厚(あつ)い空壁(かべ)から火照りを失くせる「不安だらけの苦行の総て…」は、取るに足りない〝不毛の女宴(うたげ)」と即発するほど元気を描(か)いた―――。無戒(むかい)の境地へ乱心(こころ)を彩(と)るうち不頼に咲かせる精華は限らず、幻覚(ゆめ)と縁(えにし)の御託を並べる無想の境地は上澄みだけ観て、機嫌を直せる〝不毛の女宴(うたげ)〟は奇妙を彩(と)るうち滅法盛(さか)れる…。不快に零れる〝女性(おんな)の主観(あるじ)〟は天と地ほどの悪態吐(づ)き活き、家宝を掌(て)にする解体(ばら)の笑顔は腰から崩れて孤高を保(も)った…。幻想(ゆめ)に見立てる器用の小片(かけら)は幻(ゆめ)の未来(さき)から転々(ころころ)空転(ころ)がり、旧い梯子を小宙(そら)へ架け行く不相(ふそう)の念写を虚無に見合せ、分厚(あつ)い縁(ふち)から人頭(どくろ)を観るのは〝稀有〟に巻かれる透析だった…。自体(おのれ)の過去から自由が手招き青空(そら)を観たのは解釈成らねど、安い情緒に旧巣(ふるす)を見送る人間(ひと)の黄土は虚無感から成り、安い旧巣(ふるす)の奇跡の総理(すべて)は昏々(こんこん)安転(ころ)がる布石を追った…。白亜(しろ)い冥利に女性(おんな)が尽き浮く死相の総理(すべて)は独創(こごと)を並べて、宙(そら)に集まる不幸の成就は永々(ながなが)毛嫌う感覚(いしき)を安転(ころ)がし、分厚(あつ)い空間(すきま)に男性(おとこ)を描(か)くのは冷めた京女(おんな)の習わしだった…。

      *

 …得も言われぬ、少年(こども)の憐声(こえ)した美人が出て来て、小母ちゃん顔だが、矢張り可愛らしかった。俺は好きだった。俺と従弟の居る家に来てくれた。従弟は、美人が言った話の流れを以て、美人のむちむちした左太腿を揉み上げた。俺も負けずと揉み始めた。美人は俺にも揉ませてくれて居た。俺は何処(どこ)かで従弟の上背の高さと社会的実力に恐怖感を覚えて居た。それを隠す為にいろいろ苦労して居た。

      *

 精神(こころ)の許容(うち)から無言が飛び立ち〝幻想(ゆめ)〟の内へと迷いを観る時、女性(おんな)の仕種が無機に耐えるは不通の経過(ながれ)に通底して居る…。幻想(ゆめ)に揺らげる女性(おんな)の魔力が精神(こころ)の魔力と途方を保(も)つ時、人間(ひと)の主観(あるじ)が過去を呼ぶのは無戒(むかい)に降(お)り立つ信途(しんと)と成った。白亜(しろ)い夕べに気楼を見ながら白雲(くも)の流行(ながれ)を欲に汲むのは、精神(こころ)に驕れる四方(よも)の合図と無図(むと)の相図(あいず)に想定され得る…。気楼に始まる元(もと)の孤独は男女(ひと)を囃せる信途(しんと)を得ながら、幻想(ゆめ)の気力と馬鹿力(ちから)を織り成す極(きょく)の合図を想定して居た。精神(こころ)に敷き得る男性(おとこ)の厚味(あつみ)は無援に汚(よご)れた労苦を欲して、分厚(あつ)い宙(そら)から精神(こころ)を認める「幻想(ゆめ)の感覚(いしき)」へ埋没して活き、端正(きれい)に賄う一人(ひと)の相(そう)には無頼を着飾る右力(うりょく)が発(た)った…。幻想(ゆめ)と精神(こころ)の道理の茂みに精神(こころ)の網羅が右翼を成す時、小宙(そら)の高みに合図を好く観る精神(こころ)の無垢から活力(ちから)を織り成せ、人間(ひと)の独理(ドグマ)を器用に操る〝不毛の論議〟は定かを知れども、安い過去から女性(ひと)を観るのは精神(こころ)の生理の安泰にも依る。無知に棚引く孤踏(ことう)の順路は安い佳日に身重を映して、分厚(あつ)い盛(さか)りに身欲(よく)を手招く幻覚(ゆめ)の小敗地(アジト)を好く好く報され、不毛に論じる古都の嘆きは白雲(くも)の目下(もと)から体を挙げた…―――。過去に見渡す一人(ひと)の体裁(かたち)を小躍(おど)りに見立てて疾駆すれども、陽(よう)に佇む幻(ゆめ)の八頭(おろち)は未解に息衝く純心(こころ)に留(とど)まり、安い文言(ことば)に威力を見送る〝孤踏(ことう)の周波〟を堂々保(も)った―――。幻想(ゆめ)の魚籠(びく)から孤踏(ことう)が芽吹ける幻覚(ゆめ)と余裕(ゆとり)はこよなく生育(そだ)ち、明日(あす)を看破(みやぶ)る琥珀の幻覚(ゆめ)には女性(おんな)の気色が散乱して居り、身欲(よく)に挫けぬ精神(こころ)の純度は〝純潔〟から観た夢想を発し、安い鈍(くも)りに躰を躾(しつ)ける浮浪の遊離をその掌(て)に追った…。孤高に息衝く不良の傘下は一人(ひと)の純度を小宙(そら)へと見流(みなが)し、安く静まる無想の冗虐(ジャンク)は死相を表し白亜味(しろみ)を吟味(あじ)わい、夢想に努める精神(こころ)の活力(ちから)は後手に静まる無尽を観た儘、淡い気色の女性(おんな)の体裁(かたち)は四苦(しく)を忘れて逆上(のぼ)せて在った。一幻(ゆめ)と乱心(こころ)の向日の旧巣(ふるす)は〝一刻峠(いっこくとうげ)〟を下りる頃まで、男性(おとこ)の下肢から大宙(そら)を見上げる不毛の音頭を絶上(うえ)に吟味(あじ)わい、呼応に仕上げる孤独の独気(オーラ)は過去に仕上がる輪舞曲(ロンド)を画(え)にして…、女性(ひと)に仕向ける小宙(そら)の歪曲(まるみ)を思牢(しろう)に澄ませる昼夜(ちゅうや)を買った。白亜(しろ)い佳日に悶々するうち疲労の神秘が孤独を覚り、見憶え無いまま口笛(ふえ)を吹く画(え)が過去を追い駆け苦しむ間に…、通り縋りの人間(ひと)の文句は絶頂知らずの文言(ことば)を保(も)った。個録(ころく)に突き出る〝悶々遊戯(もんもんゆうぎ)〟が孤踏(ことう)の人陰(かげ)にて脆味(よわみ)を抜き出し、軟い活路をその身に欲しがる艱難辛苦の素描を意図して、真向きに座った固陋の辛苦は無理を画(え)にして書物を描(か)き出し、当り触りを概(おお)きく踏まえる未活の息吹を上手(じょうず)に吹いた―――…。幻覚(ゆめ)の意思から悪魔が飛び立ち安い逆行(もどり)を四苦(しく)へ描(か)くのは、幻想(ゆめ)に始まる徒労の未活の発端(はし)を切らない風刺でもあり、幻想(ゆめ)と精神(こころ)を上手(じょうず)に保(も)つのは固陋に居座る譲渡であった。過去の景色が有頂を呼ぶ頃〝人間(ひと)の未活(みかつ)〟は活路を開(ひら)き、明日(あす)を画(え)にした徒労の最期と不為(ふい)に好く似た言動だけ観て、安(やす)む間も無く「人間(ひと)の上手(じょうず)」は身欲(よく)に流れる気楼と成った。仮想を画(え)にした未知の景色が人間(ひと)を織り成し宙(そら)を描(か)くのは、思牢(しろう)と過去との空間(あいだ)に蔓延る烏有の描写の成れの果てにて、精神(こころ)を極めて未然に相(あい)する〝悦(えつ)を欲した個欲(こよく)〟の果てには、幻想(ゆめ)に仕上がる〝幾つの描写〟が投げ遣り任せに淡さを保(も)った…。過去を操る未然が地に堕ち、幻想(ゆめ)の佳日が程好く咲く頃、未知の静寂(しじま)が孤高に逸(はず)れる精神(こころ)の労苦は無闇に気走(きばし)り、安い輪舞曲(ロンド)が固陋を相(あい)する〝幻想(ゆめ)の個欲(こよく)〟は未然に纏われ、分厚(あつ)い景色の温度を刈り生く無為の四季(きせつ)が小躍(おど)って在った…。女性(おんな)が好く識(し)る心の游路は未活(みかつ)の合図をその掌(て)で拡げて見て取り、見守る成果が過去を知るのは幻覚(ゆめ)の速水の習わしだった。孤高に息衝く無知の成果が奇妙に漏れ生く精神(こころ)を観るのは、幻(ゆめ)の一女(おんな)と伽藍の気色の相乗効果の成れの果てにて、無口に縋れる固陋の身欲(よく)には過労の気色が根付いて在った。白亜(しろ)い景色に女性(おんな)が佇み〝浮遊して生く孤独の活路〟は、踏み石ばかりの空虚な小宙(そら)から過去を透らす伽藍に埋れて、「明日(あす)…」を好く識(し)る不況の小敗地(アジト)の固有に棚引く化身を識(し)った…。過去の驕りと信者の労(ろう)には、幻想(ゆめ)に始まる未開の労(ろう)など、幻覚(ゆめ)の下りと未知を紐解く〝有名無実〟がその芽を集めて、日々の暮らしに活路を詠むのは一女(おんな)の姿の倣わせでもある…。

      *

 …親父に俺のこれ迄に書き上げた「夢日記のメール」を見られてしまった。どうもアクティブメールを送信する際にネットに流して家のパソコンにメールを送ると、自動的に父親の電子メールへ送られるみたいだ。どうも、全部読んだらしい。「あの場面での、あの子との関係はどうなった?」とかいろいろと訊いて来た。「あの先が見たいねん~(あの先を書いてくれよう)」と言った調子で父親は俺に詰め寄り、俺は嬉しかったが、「見るなよ」とも思って居た。

      *

 固陋の加減が有無を言う時〝身近な野獣(けもの)〟が御託を並べて、未知の人物(もの)から空(くう)の物まで物理に準え描写をして活き、曇り硝子の向うの対岸(きし)では自ずと言われる摂理が立った…。孤高の港に蔓延る行者(ぎょうしゃ)は如何(いか)なる白衣(ふく)から未来(さき)を見渡せ、漆黒(くろ)い景色が悶え始める夢想の成就を紐解きながらも、幻想(ゆめ)の労苦が躰に流行(なが)れる〝波紋の景色〟は想定され得た…。美熟女(おんな)の小片(はへん)が掌(て)に載る内にも幻想(ゆめ)に咲くのは精神(こころ)の手腕(うで)にて、未活(みかつ)に尋ねる不装(ふそう)の思乱(あらし)は華厳に寄り添う哀れを取り出し、幻(ゆめ)に幾つの宙(そら)を拡げる〝妖怪擬き〟が突然萎えた。過去に活き尽(き)る不毛の論議が幻(ゆめ)の初めに通底するのは、情事(こと)の人頭(どくろ)と相異を来(きた)さぬ浮浪の論理に程好く纏まり、幻想(ゆめ)の未知から一体(からだ)に宥める不要の論理を駆逐して居た…。男性(おとこ)の手汗と一女(おんな)の寝汗が幻想(ゆめ)に静まり後光を描(か)くのは、幻(ゆめ)と精神(こころ)の具能(ぐのう)の道標(しるべ)を小宙(そら)に描(えが)ける模倣を突いた固陋に静める未活の進理(しんり)が真綿に包(くる)まる理活(りかつ)と生くのは、不毛の論議を化身に伝える不為の決議と同等ながらに、白亜(しろ)い景色を御託に観るのは無断を構える主観(あるじ)と成った。揮わぬ景色を横目に見たとき女性(おんな)の混沌(たむろ)が真横に流れて、相乗効果に小宙(そら)に愛(いと)える旧い規律(おきて)をその掌(て)に委ねて、幻想(ゆめ)の不足と真綿を刈るのは〝相乗効果〟の混沌(こんとん)だった…。一幻(ゆめ)に拡げる真綿の襷は人間(ひと)の初歩(はじめ)に愚鈍を見定め、幻(ゆめ)の電子に未活を定める不応の心秘(しんぴ)にその根を乾かせ、幻想(ゆめ)の初歩(はじめ)で一人(ひと)を愛する孤独の態度を催し出した―――。女性(おんな)の勝手で白日夢が成り、露に跨る苦労の成果は、一幻(ゆめ)に見果てぬ小人(ひと)の体力(ちから)を揚々愉しく拡げて届かせ、分厚(あつ)い真綿に「四季(きせつ)」を識(し)るのは未完(みじゅく)を極めた夢中に成った。過去を活き尽(き)る不悶(ふもん)の哀れは孤独の両刃(やいば)を堂々巡りに…、過去を費やす理性(はどめ)の飼育と途方も無いほど哀れの姿勢(すがた)が、幻想(ゆめ)の血路を自由に保てる孤高の温度と同調して居た…。過去を保てる自由の暴露と無駄を保てぬ身欲(よく)の大獣(マクロ)は、過去(むかし)に好く観た怪訝の果(さ)きから私欲(よく)の礫を気先(きさき)に投げ掛け、自体(おのれ)を縛れる「自由の身重」の大宙(そら)に羽ばたく善し悪しなど観た。固陋を保てる旧(むかし)の相図(あいず)は信義(しんぎ)を保てる未活を休めて、旧い景色を形見に装う人間(ひと)の傘下を結束させ得た…―――。

      *

 未然…未然…未然…未然…。

      *

 幻想(ゆめ)に傅く無応の自然(あるじ)は未完(みじゅく)に棄(な)げ得る理屈を述べつつ、女性(おんな)の意固地を郷(さと)に返せる精神(こころ)の連想(ドラマ)を描いて行った…。自体(おのれ)の過去から余程を報され〝我儘…〟ばかりが教会(うち)を篭らせ、女性(おんな)の主観(あるじ)は理屈を捏ねらす不届きばかりに興(きょう)を詠んだが、一男(おとこ)の寝間には理屈を覆わぬ未開が照り付き、安い静寂(しじま)に過去を馴らせる不応の安堵を躰に強いた。一幻(ゆめ)の景色に商人(ひと)が寄るのは精神(こころ)の理屈と安堵を拵え、好く好く相(あい)せる不幸の寝室(ねむろ)は〝向日〟を欲しがる清潔から成る。幻想(ゆめ)の手立てが淡く割かれる「不当に息衝くmonkの列(ならび)」は、一幻(ゆめ)に傅く不毛の進度(しんど)が如何(いか)に騒いで静かに在っても…、幻(ゆめ)の女性(おんな)と戯れ出すのは不思議ばかりの虚像と成った…―――。過去に息衝く虚空の主観(あるじ)は電光石火に八頭(おろち)を塞いで、明日(あす)を読み取る自慢の牙から〝向日〟に始まる経過(ながれ)を観た儘、電子(あかり)に咲き得た無陋(むろう)の朝陽は可笑しく宙(そら)から木霊を覗かせ、未知に溢(あぶ)れる「孤独の主観(あるじ)」を身欲(よく)の流行(ながれ)に投じて行った…。一女(おんな)の気色は佳日を詠み取り、明日(あす)の手筈を隈なく認(みと)めた自己(おのれ)の結果をずんずん積み出し、やがて失(き)え生く不倖の様子は大宙(そら)を詠むのを景色に表せ、如何(いか)に小さく振舞う少女を自己(おのれ)の傍(そば)から離さなかった…。固陋の気色を乱心(こころ)に育み、暗(やみ)の空間(あいだ)は静かに成らずも、精神(こころ)に突き刺す自己(おのれ)の身欲(よく)には未知の吐息が有り触れても居て、分厚(あつ)い景色に自己(おのれ)を汲み取る「幻想(ゆめ)の様子」に哀れを描(か)いた。乱心(こころ)の許容(うち)から防御(まもり)を木霊す〝旧い女性(おんな)〟は景色を忘れて、幻想(ゆめ)と自己(おのれ)の分裂から成る小宙(そら)の宮(みやこ)は遠くから成り、安い哀れを精神(こころ)に仕留める不敗と正義の成れの果てには…、一女(おんな)を囲める神秘(ふしぎ)の在り処が正義に近付き悶絶して居る…。白亜(しろ)い神秘が精神(こころ)を保(も)つ時「幻(ゆめ)と精神(こころ)」の概(おお)きな様子は、明日(あす)に息衝く無論の佳日に段々透れる〝旧(ふる)さ…〟を射止めて、漆黒(くろ)さを認めた概(おお)きな欠伸は〝自己(おのれ)の過去〟から生気を保(も)った。幻想(ゆめ)に始まる未想(みそう)の挙句は過去の寝間から自己(おのれ)を好く観て、旧い両腕(かいな)に精神(こころ)を紐解く孤高の小敗地(アジト)を保(も)ち出し始めた。孤高に息衝く不倖の調子は虚空を相(あい)する正義に誘(いざな)い、安い発破に自体(おのれ)を相(あい)せる〝不届き〟ばかりを寝耳に問い掛け、明日(あす)に始まる不論の小敗地(アジト)は一幻(ゆめ)の走馬にその実(み)を化(か)えた―――。固陋に集まる滑稽(おかし)な自覚(かくご)は陰府(よみ)の四季(きせつ)を精神(こころ)に問い掛け、白亜(しろ)い佳日に自己(おのれ)を好く観る〝不毛〟と正義を極端にも見て、陰府(よみ)の疾走(はしり)を寝間に付すのは乱心(こころ)の規律(おきて)の素通りだった。過去に生育(そだ)てる無類の朝日が〝洋服〟ばかりを幸福にも観て、幻(ゆめ)の好(よしみ)に小宙(そら)を描ける苦労人(ひと)の素顔を真横で吟味(あじ)わい、分厚(あつ)い景色に未活を覗ける旧い姿勢(すがた)を安堵に識(し)った…。過去の生憶(きおく)に素顔を織り成す〝向日〟の感覚(いしき)は堂々乍らに、大海(うみ)を渡れる起死の塒は幻想(ゆめ)の感覚(いしき)に通底して居り、男女(ひと)に合せる〝不届き〟ばかりは自体(おのれ)の寝床を幾つも保(も)った。陽(よう)の差すまま混濁して生く幻想(ゆめ)の王佐に茂みが溢れて、分厚(あつ)い人壁(かべ)には温味(ぬくみ)が織り成す不透の感覚(いしき)が緩々流行(なが)れて、淡い信途(しんと)がその日を労う夜半(よわ)の孤独を概(おお)きく望めば、過去に活き抜く不安の小敗地(アジト)は相乗廻りの効果を知った。過去に寄り着く無限の両腕(かいな)は当りの少ない機嫌を損ない、不明に活き尽(き)る無残の優雅を〝通り相場〟にそのまま見直せ、男女(ひと)の空間(すきま)に思乱(あらし)を想わす旧い佳日を余程に割った。完全から観た不完の感覚(いしき)は一幻(ゆめ)と自己(おのれ)を傍(そば)に置きつつ、一女(おんな)の色香(いろか)を途方へ見て取る〝不装(ふそう)の哀れ〟を確信して居た…―――。(不完全)。


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