人間好きの魔王の2度目の人生〜勇者に倒されて起きたら人間になっていた〜
緑野こうら
第1話 転生
僕の名前はユーリ・カリウス。ルミナス王国という国のはずれにある村の領主の息子だ。僕も今年で9歳になる。
前世では大魔王として人々に恐れられていた。と言っても人間に対して何かやったわけではないんだがな。僕は魔族に生まれながらも人間が好きだった。だからこうして人間に産まれたのも僕にとっては嬉しかったりする。まあ、1つだけ欠点を挙げるとしたら前世の力がほとんど使えないところだな。最近、僕の修行が始まったんだがそのとき、力が封印されていることに気づいた。だが、それも今世ではゆっくり過ごそうと思っているから大丈夫だな。そういえばこの国の子どもは10歳になると王都にある学園に行くらしい。次は人間の技を学んでも楽しいかもな。
ガチャ
「ユーリご飯が出来たよ。」
「エフタル兄さん!すぐに行くよ!」
彼はエフタル・カリウス。カリウス家の長男。つまり僕の兄だ。そしてもう1人
「早くしろよグズ。」
「ガイアス兄さん帰ってきてたんだね。」
この口が悪いのが次男のガイアス・カリウスだ。僕より2歳上で先に学園に通っている。
「そうだ、ガイアス兄さん僕も来年から学園に通うんだ。だから修行に付き合ってくれないかな?」
「ああいいぜ。お前の泣き面を見せてくれよ!!」
〜5分後〜
「ガイアス大丈夫かい?」
「兄貴あいつ何か不正してなかったか!」
「いいや、僕も審判として公平に見ていたけどそれらしい動きはなかったね。」
「嘘だろ?」
それはこっちのセリフだ。1年間学園に通った成果がこれとは。身体強化を使うまでもなかったぞ。
「次は魔法で勝負だ。(剣技では敵わなかったが魔法なら学園で学んでいるこっちに分があるはずだ。)」
「いいよ。元はこっちから頼んでいるわけだし。エフタル兄さん掛け声よろしく。」
「うん。よーい、スタート」
「極炎(メガフレイム)」
「うわぁぁぁぁぁ!!」
「ガイアス!ユーリどうしてこんな魔法を!?」
「えっ?極炎ぐらい1ヶ月ほど練習すれば誰だって使える魔法じゃないの?」
「そんな訳あるか!!その魔法は賢者レベルの魔法使いが半生かけてようやく使える魔法だぞ!!」
どういうことだ?この世界はどこかおかしい。僕の能力もほとんどが封印されて使えない状態だし、それに魔法や剣技の衰退まであるとは。これは学園に行ったら色々と調べる必要がありそうだな。
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