1話 悪役ってマジかよ・・・
「は~~、やっぱそうだよなこれ」
そう言って深くため息をついた。
鏡に映っているのは間違いなく佐野悪琉(さの あくる)「幼馴染達の行く先」というエロゲに登場する悪役だ。
幼馴染達ヒロインを襲ったり、脅したりする、いわゆる竿役キャラだ。
家柄、ルックス共にかなりレベルが高いのにも関わらず、普段からの素行が悪すぎて皆に嫌われているキャラだ。
「ヒロイン3人は全員めちゃくちゃ可愛く、最高なんだよな~」
そう言いながら風呂に入る
「にしても竿役だけあって日本人サイズじゃねーなこれ」
風呂から上がりベッドに飛び込んだ
今日は2020年4月か、ん?しかも明後日入学式じゃねーか。
幸い佐野悪琉としての記憶はあるにはある。
しっかしろくな記憶じゃねーなコイツ。
喧嘩に夜遊びに女遊び、転生前なら確実に俺の苦手なタイプだな・・・
明日から行く高校は中高一貫でほとんどの人が俺の事しってるしな。
進学校って事もあってかなりレベル高いんだよなこの学校。
まあ、勉強に関しては何ら問題ないな、コイツ(悪琉)のスペックはかなり高いうえに転生前の俺も東大医学部出てるしな。
「ん~、これからどう動いていくかな~?」
流石に奪うみたいな事はしたくないしな、極力主人公と幼馴染3人とは関わらんようにしないとな。
中学の時は4人と同じクラスにすらなった事ないから幸い全くと言っていいほど関わりが無い。
とりあえず明日からは真面目に暮らして行くか、別に周りと仲良くなりたいって事もないしな。
とは言え流石にピンチになると分かってるヒロイン達を見捨てる何て事はしたく無い気持ちもあるけど…。
まあ、俺としてはゲームで見た光景とかが見れればそれでいいかなってかんじだしな。
「よしっ!寝るか!」
朝起きたらやっぱり見慣れない部屋だった。
「ん~、やっぱ夢じゃないんだな、しかしやっぱ部屋広すぎて違和感あるな」
佐野悪琉は父親が有名な医者、母親が世界的バイオリニストって事もあってかなりの大金持ちだ。
しかもめちゃくちゃイケメンで身長も186cmもあるうえに、かなり鍛えられてるな。
性格が良かったらアイドル並みにもてるんだろうな。
悪琉は小さい頃から両親が家に帰って来ることは年に数回のレベルだった、そのため家族と過ごす時間はほぼなかった。
転生した今でこそ全然何ともないのだが、佐野悪琉はそれ故にどんどん素行が荒くなって行ったみたいだな。
「でもやっぱり金髪って慣れないな、染めてるとは言え直すべきかな?でも美容室の方がいいし、しばらくはいいか」
とりあえず日課のランニング行くか。
「ふぅぅ~、やっぱ朝のランニングって気持ちいいな」
ん?
「(英)すいません。○○神社って何処にありますか?」
「えぇーと(汗)うぅーん」
少女が外国人に話しかけられてるな助けてあげるか。
「(英)○○神社だったら・・・」
「(英)イケメンなお兄さん、ありがとうございます。」
「あっあのぅ~」
少女にそう話しかけられて少女の方を振り返る
「っっ!」
俺は驚いて目を見開いた。
最悪だ!後ろ姿じゃ分からなかったが、この子はヒロインの1人相沢沙羅(あいざわ さら)じゃねーか!!
身長155cm、巨乳で大人しくて心優しい性格、そんな守ってあげたくなるような美女だ。
「すっっ、すいません」
驚きの余り少し見つめ過ぎたか、睨んでると勘違いされて謝られるとは。
「なぜ謝ってるんだ?別に悪いことしてないだろ?」
俺がそういうと少し驚いた表情になり、少しもじもじした後
「あっありがとうございます。佐野君」
「いや、気にするな、たまたま目に入ったからやっただけだ」
「そ、それでも、助けられたので・・・」
「ほんと大丈夫だから、相沢は何もきにしなくていい。じゃ、俺はこれで」
そう言って俺は走ってその場から去った。
「はあぁぁー、最悪だ何で関わらずにと決めた直後からこうなるんだ、いやでもそんな気にすることでも無いか。たいした関わりでもないし直ぐ忘れてくれるか、うん、そうだな」
そう思った俺はそれ以上考えるのをやめた。
ランニングや筋トレなど終えた後、明日からの学校の事を考えることにした。
主人公一味と俺は漏れなく、1年5組になるだろう。
ゲームでの俺はそこで、冴えない主人公の周りに何故か一年の三大美女がいることが気に食わなく、三人の美女達に手をかけていくことになる。
まぁ、俺がこの体になった以上そんなことはあり得ないんだけどな。
でも、それを除いてもヒロインに迫る魔の手はいっぱいあるんだよな、家族関係だったり、友達関係、学校外部の事、それに俺以外の男が美女達を気にしない訳がない。
まっ、主人公に任せつつもしもの時に備えて俺もいつでも助けられるように行動するか、関わりたく無いとは言え流石にヒロインに何かあったら気分悪いしな。
3人とも選べない位魅力的でいい子だからな。
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