黄金の砦
岡 辰郎
あらすじ
フランスの地方都市ブザンソンの美術館が何者かに襲われ、夷酋列像と題されたアイヌの族長たちを描いた絵(近況ノート参照)が盗まれた。フランスの対テロ機関の捜査により、美術館学芸員・野村が犯人として札幌で捕らえられる。野村はアイヌ民族であり、アイヌ絵の専門家であった。が、彼は無実を主張した。捜査に当たった警察庁公安課外事課長は、野村の無実を信じる。その間、世界中の情報機関は、列像盗難を巡る活動を起こし始めていた。列像を奪ったのは、南米に拠点を置くネオナチであった。その意図を探るイスラエルのモサド、アメリカのCIA、そして、世界経済を牛耳る大財閥であるセクフィール家までが列像と野村を奪い合う活動を開始し、ロシアの情報機関SVRが野村の抹殺に動き出す。
セクフィールと組んだモサドに救われた野村は、列像に『一国を興すに足る』と言われるアイヌの隠し黄金のありかが記されていることを知らされる。『黄金の砦』と呼ばれるその伝説は、ヨーロッパの権力者に広く信じられていたが、その謎は2世紀前から解明できていない。世界の動きから事の重大さを悟った自衛隊は、野村にボディーガードを付ける。特殊部隊のリーダー・中西であった。中西はやはりアイヌであり、野村の幼なじみでもあった。彼らは、セクフィールの代表であるレネとともに列像の謎を追う。
セクフィール家は、1世紀も以前から列像を所有し、その秘密を解き明かそうとしてきた。レネは野村の助力を期待し、セクフィールが知る事実を明かした。列像は、ヨーロッパの歴史の暗部に深く関わってきたのだ。ある時はナチスドイツのゲーリングを罠にかけるために使われ、また、レーニンやビスマルクとセクフィール家の闇取引きに用いられ、そしてナポレオンやメッテルニヒの命運を左右した。セクフィールは、シュリーマンなどの優秀な人材を謎の解明に当たらせたが、試みは全て無駄に終わった。野村たちは、ロシアの攻撃をかわしながら謎を解明していく。
だが砦で発見されたのは黄金ではなく、21世紀の世界を破壊する力を秘めた〝ある物〟だった――。
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