第18話【ハレルヤ】(変化する関係性編)
俺と
「…あたし、一人にしてって…」
「ごめん、ライラさん。
「
「…つまり何が言いたいの?」
「……」
…
俺は彼女の背中を少し押した。
「っ!私は!
しばしの間、沈黙が流れる。
「はぁ!?」
「…うぅ~!!
「
彼女は耳まで顔を赤らめて、ぎこちない早足で、逃げるように病室から出ていった。
「…
俺は
「
「え?」
「いや、…なんでもない」
ライラさんはそう言って、少し嬉しそうに
やっと笑顔を見せてくれた。
彼女には笑顔が一番似合う、悲しむ顔は見たくないな。
「ライラさん、俺、まだいてもいいのかな?」
「いてほしい…。…手、繋いでもいい?」
「もちろんいいよ。それで、君の気が楽になるなら」
「…ありがとう」
病室の中は思っていたよりも、静かだ。
この白い無音の空間が、ライラさんの心を
「…お母さんはどういう状態なの?」
「昨日の朝から、眠ったまま起きないんだって…。看護師さんが声をかけても、体を揺さぶっても…。」
「30時間以上…」
「あたしはLIVEがあったし、姉貴も仕事が忙しくて、電話に気づいたのは夜になってからだった…、適切な処置はしてるそうだから、後は見守ること…しか……」
ライラさんの声がだんだんと震えていく。
理屈なんてどうでもいい。
俺はライラさんにこれ以上辛い思いをしてほしくない……!!
「お願いです…!!ライラさんの曇った顔は…!ライラさんの大好きな貴方にしか!晴らせないんです!!」
病院なので、大声は出せない。
その代わり、心を込めた言葉を吐き出す。
「
その瞬間、奇跡は起きた。
「あ、目が…!!」
「…
「…お母さん!!」
「…泣かないで…
大粒の涙を流して、ベッドに顔を伏せたライラさんの頭を、お母さんが優しくポンポンと
「…あなたは?」
「ライラさんの"友だち"の
「そう…お友だち、ふふふ」
お母さんは笑い方が
「あたしはどうしてたのかしら?」
「…ほんの少し、長い夢を見ていただけですよ」
「遅いのにいいの?」
「うん、今日は送らせてほしいんだ」
お母さんの
2人で
「ねぇ、
「はい??!!」
「
「あ、ああ、俺は…」
間もなく
「……好きなら目を開けてて。…好きじゃないなら
…どういう意図があるのだろう?
俺はライラさんのことを"友だち"として好きだ…。
それは間違いない。
"友だち"として…?
学校一の美少女、
それに、俺は誰も知らない彼女の魅力に気づいている自覚がある。
「…目、開けててくれるんだ?」
「……」
「
あれ、この流れ、また…。
ここからの展開は昨日のLIVE後とは違った。
ライラさんが俺の
き、
自己紹介を失敗したときよりも、
それでも、目を
『好きなら目を開けてて』
俺はライラさんのことが好きだからだ。
"友だち"としてではない。
ちゅっ
「あたしも好き」
あっ、えっ?
「また明日!」
走り去っていくライラさんの後ろ姿に、ひどく胸が
変化する関係性編 完
読んでいただきありがとうございました!
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