26話 海での思い出

☆吉永 ノナside


 海岸のダンジョンのボスを倒すと、白い煙のようなものが発生した。

 どうやらこれに触れると、ダンジョン内の出入口付近に転移することが可能らしい。


 ノナとエムはそれに触れ出入口付近へ戻ると、そのままダンジョンから脱出し、浜辺で寝ているミソギの元へと戻る。


「どうだった?」


 ミソギは身体を起こすと、付けていたサングラスを外す。


「エムの手伝いができて、良かったよ!」

「そうなんだ。私も後でアーカイブを見てみるよ、チャンネル名は……」


 ミソギが最後まで言い終える前に、思わずエムが答える。


「エムちゃんねるです! チャンネル登録も良かったら、ぜひ! よろしくお願いいたします!」

「分かったよ。後一応君は私の先輩ということになるからね。アーカイブを見てしっかりと勉強させて貰うよ」

「先輩?」

「私も探索者デビューをしようと思ってさ。こんな年齢だけど、一度きりの人生なんだし、やってみようかと思ってね」


 ミソギは勝ち誇った笑みを浮かべる。


「ま、私は強いだろうから、すぐに追いついてみせるよ」

「おお! 流石!」


 この笑み、アニメキャラの真似をしていた、中学時代のミソギを思い出す。


「やっぱりミソギは、そうでなくっちゃ! 自信は大事!」

「うん、そうだね。大人になってからは、例え趣味でも自信を持って失敗すると、大勢に叩かれる恐怖があったからね。できない人ほど自信を持つと呆れられたこともあったけど、それじゃあ楽しくないからさ。私も、今のノナのように生きることにしたよ」

「それがいい!」


 ノナとミソギのやり取りを見て、エムは言う。


「私も負けないように、頑張らなくちゃですね!」

「エムも頑張れ! そういえば、折角だし、砂遊びしない?」


 折角海に来たのだ。

 砂遊びをしないのは勿体ない。


 ノナ達は砂で城のような何かを作ると、皆でそれを撮影して、思い出とした。

 最後に3人でそれを破壊し、それもまた思い出となったのであった。





★★★★★


短いのですが、海編終了と言うことでキリが良い為、1度区切ります!

短すぎるので、本日もう1本、番外編的なのを投稿します!

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