20話 海に行きたい!

☆吉永 ノナside


 次の日。

 社会人にとっては平日ではあるが、ノナにとっては休日だ。


 仕事を辞めたというのもあるが、そもそもノナは本来中学2年生なので、こうして会社に行かないのは普通なのだ。


 そして、現在7月23日。

 ノナの中学では、既に夏休みに突入しているのだ。


 今年は夏休みの宿題もないので、去年よりも多く遊べるだろう。


「夏休みかぁ……」


 今年の夏はミソギと海かプールに行こうと思っていたのだが、こうして15年後の世界に来てしまったので、そうもいかない。


「大人の人って、夏休みがないみたいだからねぇ」


 おそらくミソギは今日も仕事なのだろう。

 エムはどうなのだろうか?


 学校によっては既に夏休みは始まっているが、まだの所もある。

 ノナはエムにメッセージを送信した。


『夏休みっていつから?(^。^)y-.。o○』

『今日からだよ♪』


 すぐに返信が来た。

 その後も、ライン上でメッセージのやり取りが続く。


『今年の夏は、暇かいな?(*´▽`*)』

『暇といえば暇だけど、今年の夏は配信頑張ろうと思う!』

『海とか行く? 私は、エヴァの新型で海行くのよ(^ω^)』

『海!? いいな~! ノナさんは海行くの?』

『あ、恐縮せんでもいいよ(^_-)-☆ (文章でのさん付け)』

『年上だからつい!』


 エムは高校1年生。

 この時代のノナの体は今年で29歳だが、中身はもう少しで14歳の中学生なので、実は年下なのだが。


『それにしても海いいな~! 私はあんまりアウトドアな友達いないから……』

『そうなんかいな!? 良かったら一緒に行く?(^^♪』

『えっ!? 予定とか大丈夫なの!? 大丈夫なら行きたい!』

『ktkr(≧▽≦) ぶっちゃけ、プールとどっちがいい?』

『個人的には、海かな?』

『OK! エヴァの新型用意しとくわ! 電車のことね(^_-)-☆』


 と、ここで大事なことを思い出した。

 自分は、まだ中学生だと言うことに。


 中学生だけで海は、危険ではないのか?


『保護者どうしよう!?』

『え!?』

『友達連れてってもいい(~_~;)?』

『いいけど……ノナがいれば大丈夫じゃない?』

『私まだまだ子供だから(^_-)-☆←wwww』


 ということで、どうにかしてミソギを誘うことにした。

 エムは、基本的に夏休み中はお盆以外は空いているということで、こちらで予定を決めることになった。


 ノナはミソギに電話をかける。

 仕事中だと申し訳ないので、お昼に電話をかけた。


『も、もしもし?』

『仕事休み中ごめん! 7月か8月のどこか空いてる!?』

『ちょ……いきなりどうしたの?』

『休みがあったら、海に行こうかなって、私の友達も一緒にだけど』

『海かぁ……昔一緒に行ったよね。懐かしいなぁ……』

『もし、仕事の疲れを取りたいとかだったら無理には誘わないけど、良かったらどう?』


 日曜も出勤の日があるくらいだ。

 休める日は休みたいという考えが、あるのかもしれない。


 なので、最悪断られると思っていたのだが。


『折角だし、行こうかな』

『ええ!?』

『いや、そっちが誘ったんでしょ?』

『そうだけど、仕事とかは大丈夫なの!?』

『うん。いつでも休めるようになったから』

『おお!』


 よく分からないが、良い方向に進んだと言うことだろう。


『お盆は実家に帰ったりするだろうし、私の友達も無理だって言ってたから、お盆以外で一旦行ける日決めておいてよ!』

『ノナが決めていいよ。自由に休めるからね……。後、今年は実家に帰れなくなったから、その辺も気にしなくていいよ』

『そうなの?』

『うん。そんなことより、久しぶりの海楽しみにしておくね。お友達にもよろしく』


 通話が切れるのを確認すると、スマホをスリープ状態にし、その辺に置く。






★★★★★

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