12話 元の時代の友達に電話してみた!
☆吉永 ノナside
ノナはドロップアイテムのレッドオーガの角に向けて、腰の布袋を手に取ると広げ、【収納】と念じた。
すると、あれだけ大きかったレッドオーガの角が、袋に吸収されるように消えていった。
「おお! 便利だね! 流石ダンジョン!」
対象のアイテムに向けて、収納と念じることにより、アイテムを収納することができる。
ダンジョンに入った時から、実は腰についていたが、まさかこんな効果があるとは驚きである。
ただ、村人装備に似合う所から見ても、少し地味な袋だ。
後々シルバーアクセサリーで、派手にしたい所である。
「もしも、【収納袋】がなくなっちゃった時は、冒険者ギルドの人に相談するといいよ」
「OK!」
茶色の巾着のような布製の袋。
これこそが、収納袋だ。原理は不明だが、大人気作品の猫型ロボットが使用しているポケットと似た感じだろう。
◇
「ノナはダンジョン配信とかって、やる予定ある?」
ダンジョンから出ると、2人は買い食いをしながら、スカイツリー周辺を歩き始めた。
「特にないけど、ダンジョン配信って、何?」
文字通りダンジョン探索中に配信をすることだろうか?
だとすれば、かなり危険だと思うのだが。
「ダンジョン探索している様子を配信するんだよ」
「ダンジョンで配信って危なくないの?」
「当然、危険もあるけど、保護者の許可があれば高校生からでもできるくらいだよ! それにほら! ノナって強いし、何より戦闘中に色々喋ってるから向いてるかなって!」
ノナは戦闘中によく喋る。
本来危ないが、少年漫画では常識だ。
「んー、どうしよう?」
元の時代にもあったニコ生でさえ、深く興味を持ったことはなかったので、自分がやろうと考えたこともなかった。
今の所は、保留にしておこう。
「誘ってくれてありがとう! でも、私はいいかな? まだ初心者ってのもあるし、ネットのことよく分からないし」
元の時代のネットであれば、そこそこ詳しい。
この時代のネットに関しては、まだまだ不明なことが多い。
「分かった! 別に気にしなくていいからね! ただ、私がダンジョン配信始めるから、ノナもどうかなって思っただけで!」
「え!? エムはやるの!?」
「うん。ノナの他にも、私の活躍を見ていて欲しい人がいるからね」
おそらく、エムが応援していた配信者のことだろう。
「応援してるよ!」
「頑張るね!」
その後、買い食いなどをして遊んだ後、解散となった。
◇
その日の夜。
ノナの部屋でのこと。
「さてと、明日はどうしよっかなー!」
ノナはベッドに横になる。
明日も平日だが、仕事を辞めたので、ノナにとっては休日だ。
「ダンジョン探索に行こうかな!」
まだ行っていないダンジョンは、多い。
というよりも、まだ2つのダンジョンにしか行ってない。
元の時代に戻るには、不思議な存在である【ダンジョン】の謎を解明していくしかない。
多分。
となれば、平日は仕事代わりにダンジョンへ行くしかない。
そんなことを考えながら、ノートパソコンでネットを閲覧する。
「エムの言う通り、本当に色んな人がネットをやっているんだねぇ」
どうやらエムの言う通り、この時代のネットは多くの人達の基本装備らしい。
実際に街中や電車でスマホを触っている人もかなり多い。この時代に来たばかりの時、最初は何をやっているのか分からなかったが、おそらく皆ネットをやっていたのだろう。
「ま、時代っていうのは、変わるものだよねぇ」
この時代のネットはアンダーグラウンド的な、秘密基地的な場所ではなくなってしまった可能性が高い。
インターネットという名前は同じでも、元の時代のネットとはまるで違うのだろう。
ノナはノートパソコンの電源をオフにすると、スマホを持ってベッドの上で仰向けになる。
連絡先など、あまり深く確認していない場所があったからだ。
「んんんんん!?」
ノナは寝転びながら、スマホで連絡先を見ていると、とある人物の名前が目に入った。
「見つけたあああああああああああああああああああああ!」
そう、この名前には見覚えがある。
数日前はスマホに慣れていないというのもあり、気が付かなかったが、例の友達の名前が連絡先一覧に載っていたのだ。
「これ電話しちゃってもいいよね!?」
★★★★★
PVが伸びる時間的に、遅い時間の方がいいのかも!?
と考えたので、本日は少し遅めの時間の更新です。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます