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    Under the spotlightへの応援コメント

    とある方の創作論に寄せた私の言葉で
    『芸術には母が必要、母でなければ恋人、或いは寄り添ってくれる人が───』
    というものがありました。

    いま、その言葉の意味を自ら噛み締めております。

    彼女の、演技は見る人が見ればおそらくは一発でわかるほどの卓越したものなのだろうと思います。それが故に、彼女自身の持つ憑依力、あるいは没入力に……彼女のもつ天性のオーラとでもいうべき器が適していないのかもしれないと。

    例えとして適当かどうかはわかりませんが、

    国を治める立場の人間として、
    例え能力、人格、清廉さ、どれをとっても欠けるところのない一流の人間がいたとしても、「王家の血筋」でなければ民衆はついてこない、という話がありました。

    時に、能力よりも王たる器、血統、権威、そういった本質とは別の(あるいはそれこそが本質なのでしょうか?)ものを持たないとその役割は担えない、ということもあるのだと。

    長く彼女を見続けてきた傍観者であり「民衆」である清掃員のおじさんは、そういう部分を敏感に感じ取っていたのだろうか、とも思わされました。

    そして、なにより……
    彼女自身が、きっとその事に気づいているのですね。
    自分が主役にはなり得ないということを。

    或いは、技術は誰よりも優れている自覚はあるのかもしれない。そしてそれは客観的事実かもしれない。……脇役である彼女の前で主役を演じた者の多くが演劇を辞めているということが───

    器、役割

    この事を思うと、私は……
    自分が主役のはずの自分の人生において
    脇役をやらされていたのではないかと、思うことが度々あります。
    人生のエンドロールで、
    ああ、それでもいい人生だったと
    そう思いたかった命の終わりに……

    脚本・監督 ◯✕▢△

    自分の心底憎んだ人間の名前が出てくるのではないかと
    そればかりが、許せなくて吐き気がして

    たとえ人からバカにされようと
    蔑まれようと
    自分の意志だけは手放してはいけないと
    その時から思うようになりました


    彼女の隣で見続けてくれる人がいることに
    彼女はきっといつか気づいてくれるはず
    そして、
    望んだ役ではなかったもしれないけれど
    彼女は、自分の意志でそれを演じきっていたと────


    誰がなんといおうと、
    彼女が至高の存在であることを疑わない彼がいる
    その姿を、命尽きるまで見つめ続けると……
    彼は、間違いなくそれを望んでいるのだから


    彼女の配役は、これからも脇役であるのかもしれませんが
    彼女の人生という名の物語の
    エンドロールでの主役の名前は
    きっと彼女自身の名前です

    そして、その下に並ぶのは
    きっと、彼の名前

    作者からの返信

    天川様
    いつも深くまで私の作品を読んでいただき、ありがとうございます。

    『芸術には母が必要、母でなければ恋人、或いは寄り添ってくれる人が───』
    一度読み、二度読み、三度こうして読むほど、なんと重く、そして温かみのある言葉だろうと思いました。

    どのような人も一人では生きていけない。特に、芸術では言わずもがな。
    天川様のコメント読み、もう一度本作を読んだとき、天川様の言うとおり、少女は王になれない「王」なのだろうと思いました。故に人を強く惹き付けるのでしょうか。

    私は自分の人生を歩みながら、自分の人生であるのに主役ではないと思っておりました。
    それでも、天川様の「たとえ人からバカにされようと蔑まれようと自分の意志だけは手放してはいけない」という言葉に、自分は意志を手放していないはずなのに、自分の人生を歩んでいないのかもしれないとハッとなりました。

    彼女がどこかで俳優を諦めてしまうのか、それとも命尽きるその瞬間まで俳優として生きるのかは分かりません。
    それでも、きっと、彼女のエンドロールがそのときには、天川様のおっしゃるとおり、彼の名前がきっと並ぶはずです。

    いつも丁寧に読んでいただき本当にありがとうございます。
    そして、天川賞を心から応援しております!