きみはかぞく

むらさきいろ

ずっとずっと、昔からそうだった。

幼い頃から、私が買って貰ったもの、一度でも自分のモノになったモノ

その一つ一つに異常なほど独占欲を発揮していた。

私のモノに一瞬でも触れられたら、使われたら...

私はそのモノを『壊してしまう』

破壊衝動が抑えられなくなってしまう。

私のなのに...私しか触っちゃダメなのに...私だけのモノなのに...

そっか...私のじゃないなら壊しちゃえばいいんだ！！

ふふっ...こんなに簡単なことだったのに何を悩んでたんだろう...

...なぁんて！こんな簡単なことに気付いたのは幼稚園の時

そこからの行動は早かった。

他の人間に触られた私のモノを壊して！壊して！壊しまわった。

だって、私だけのじゃ無くなっちゃったんだもん...

私だけのモノじゃなきゃだめなの...

私しか触れなくて、私しか使えない！！

でもね...この世はそう上手くはいかない。

私がいくらやめてって言ったってね、

皆人のモノを触るし、使うの...

それどころか！！私のほうが悪いなんて！貸さない私が悪いなんて

私の方が悪者になる始末...

私が買って貰った私だけのモノ、なんで私が貸さなきゃいけないの？？？

私専用のモノなのに...私しか使っちゃいけないのに...

......そんな幼少期を過ごしてきた私

そんな私も今ではママ

大人になれば変わる...なんて周りの人間はみんな思ってたみたいだけど

人間の本質がそう簡単に変わるわけないのにね

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