コミュ障陰キャによるダンジョン攻略feat.神獣ペットによる飼い主プロデュース

クロスディアⅡ

第1章 コミュ障陰キャの決意と最初のハーレム候補

第1話 プロローグ

第1話


『さぁ、君もダンジョンに潜ってみよう!』


───かつて、何度も見たテレビで、何度も聞いたこの言葉。


この言葉が胸に刺さって、ずっと抜けなかった。


俺も、このテレビの中に居る人達みたいにキラキラ輝く存在になれるんじゃないかって!


でも、現実は非情だった………


俺には何の才能も無かった………


弱いし、魔力も少ない………


───ああ、俺にとってあのキラキラした世界は夢物語でしかないんだ。


そう、思い知らされた………


☆☆☆☆☆


───西暦2023年、日本。


この国にはダンジョンという未知の空間が広がっていた。


正確に言うと、世界中にダンジョンが蔓延っているのだが………


それは置いておいて、ダンジョンというのは人類の歴史から切って離せない物である。


今の人類(ホモ・サピエンス)が誕生した頃から存在しており、其処に眠る資源や異能で人類の文明を発展させ、反対に潜むモンスターの脅威を晒していた。


様々な土地に広がった人類はダンジョンに寄り添う様に生き、今へと繋いで行った。


そんな歴史の中、人類はダンジョンを探索するという物を作り始めた。


探索者達は、今も尚続く未知を求めてダンジョンへと潜っているのである………


「俺もそんな探索者達の一員なんだ………」


そう呟く少年の名は一ノ瀬イチノセ 飛翔ツバサ


友達も居ないし、喋れる相手が家族と幼馴染の女の子だけというコミュ障を拗らせたクソ童貞陰キャ野郎である。


まぁ、そんな喋れる相手の幼馴染は疎遠だし、彼氏が出来たと聞いてより話しかけにくくなったし、何なら家族でも妹には最近嫌われてるらしく、上手く喋れていないのだが。


『にゃうん!』

「こら、あんまり暴れるなよシロ。」


コイツは俺のペット、シロ。


長い髭に長い脚、柔らかな身体と肉球、白い毛並みに黒い縞々模様。


そんな小柄な生物?モンスター?よく理解わからない奴である。


どうやら、生物図鑑にもモンスター図鑑にも載ってない新種らしいのだ。


まぁ、家族には違いないので、全く気にしてはいないのだが………


「ほら、暴れるなよ。置いてくぞ?」

『にゃうん!?』


ふぅ、やっと大人しくなってくれた………


さぁ、行こうか………


───懐かしきダンジョンへ。


☆☆☆☆☆


???side


『───ふぅ、やっとダンジョンに向かったか。』


我が名は白虎、名前はもうある。


シロという名を、私の主人から付けられたのだ。


安直な名ではあるが、案外気に入っている。


そんな主人が、ダンジョンに向かうというのだから、ズリズリ攻撃やベロベロ攻撃で無理矢理に着いてきた。


前は着いて行かなかったせいで、酷い目に合わせてしまった様だしね………


『主人も頑張るんだ、私も頑張らないと。』


恩返しをする為に、私は主人に着いてきたのだ。


どんな恩返しかって?


それは勿論、主人にとやらを渡す事だ。


『メスの匂いが凄いなぁ………』


これだけ沢山居るなら、良いのも見つかるだろう。


よし、最初の一歩が肝心だ。


頑張るぞ、私!


『えい、えい、にゃん♪』


続く

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