とある地域にて 回顧録
どっどど どどうど どどうど どどう
青い男も吹きとばせ
失敗ばかりも吹きとばせ
どっどど どどうど どどうど どどう
これを歌っていた小学生たちは、その元の作者がどんな人物だったか知らないのだろう。しかし、この替え歌を作った人間は知っていたはずだ。そうでなければ、こんな作為的な効果は生まれない。今更、そんな歌一つで苛立ちもしないが、不快なことに変わりはなかった。子どもたちの将来も吹き飛ばされないといいが。
上手いこと言ったつもりか?
本土に帰ってこれたのは全くの偶然だったが、帰ってきてからの方が大変だった。ようやく外に出れるようになったころには、足の骨は変な風にくっついてしまい、真っ直ぐ立てなくなっていた。まぁ命を取られるよりマシ。
そんなこんなで、数少ない自分の持ち物である、死んだ奴らのタグを遺族に返す旅に出たわけだが、それもあと一か所で終わりそうだ。
最後の一人の遺族にタグを返してきた。毎度のことだが、あまりいい顔はされなかった。ダメ元で線香を上げさせてほしいと言ったところ、仏壇はないとのことだった。嘘つけ!リビングの奥にあるの玄関から見えてるぞ。
帰りの電車で考えた。誰も彼らのことを覚えているつもりがないなら、出来る限り彼らに関する情報を集めようと。彼らがどうしてあんな目にあったかも含めてだ。時間はかかるだろうけど。
これは天命ですか?
いいえ、勘違いです。
でもやるんだ。
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