第3話

「…トモ、話がある」


「タカキさん…?」


「私のポストカードセットの発表は次回に思う存分やってほしい」


「それより私がプレゼントした詩を覚えているか?お前の部屋の前に置いた物だ」


「……最新の詩は…読んでいません…」


「読んだだろう?」


「…読んで…いませ…ん」


「…恥ずかしいです…」


「…読んだら変わっちゃうし…」


「恥ずかしいところを見せ合うんだ。夫婦だろ?」


「感想ではなく、提案でもなく、返事が欲しい。お前が変わっていくのがいいんだ」


「…返事だ…トモ…お返事は?…」


「…ん…タカキさん…お触りは禁止ですよ…?」


「…ほっぺでもか…?」


「目を閉じろ…トモ…お前を変えたい…」


「…ダメ…だよ…?」


「…ごめんな…私達に選択肢など…ないって知っていても…」


「タカキさん…自由と引き換えに得る物なんて何もないよ?」


「この唇をふさげばいいのか?」


「タカキさん…今は…ダメ…」


「そうか」


「トモ…まつ毛に…何か付いてるだけだよ…取るだけさ…」


「目を閉じてくれ…」


「…うん…」


「…ん…」


「トモ…」

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