第2話 「少年天子」
《大唐仁王伝》夙沙五漾
「少年令天子,常懷仁愛心。」
「憂國外之患,富國默強兵。」
「歷經三圖治,慰藉祖先靈。」
「大唐仁王傳,百年世太清。」
※翻訳:
‧大唐の天子【李久諒】は若くして即位し、常に仁愛の情を抱き、民の福祉と利益を顧みる。
‧彼は国の内憂外患を常に憂い、そのため富国強兵の政策を積極的に推進し、国の安全と繁栄を保つ。
‧彼は三度の国家統治の困難な時期を経て最終的に成功し、その努力が祖先の霊を慰めた。
‧仁王の統治下の大唐時代は、その英明なる統治(仁政と清明)が百年の大唐の盛世を築いた。
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二年後
万剣山・凌霄城
【李久諒】は上半身裸で槍法を練習していた。
【李久諒】が一声掛けると、両手で槍を振り、白い雪龍の虚影を舞い上げた。
その雪龍の虚影はまっすぐ前に進み、山に大きな穴を開けた。
「良いぞ。あなたの【白龍槍術】はすでに大成した。もう出師の時です!」
道姑が払子を振り、笑って言った。
「山を下りてからも、私が授ける【冰魄心法】を精進しなければなりません。内功を強化するだけでなく、心を安定させ、寒さを恐れることなくします!」
「はい、師父!」
「師父、二年間のご指導、ありがとうございます。実は…」
【李久諒】が何か言い続けようとしたが、【雪妙子】に遮られる。
※「紫気東出、真龍の命。」
(紫色の晨霧が太陽と共に東から昇ると、真龍の天子の命を象徴する。)
※「天子帰朝、仁愛天下。」
(あなた、この天子が朝廷に帰ると、仁政を行い、全天下を愛します。)
【雪妙子】が笑って言った。手を振って、【李久諒】を去るように示した。
「師父【雪妙子】、また来る日にお会いしましょう!」
【李久諒】は涙で師門を去り、大唐に帰る準備をする。
その通り、【李久諒】は大唐王朝の太子です。
宦官の危機のために、仙縁を求めて大唐を救おうとしました。
これが彼が万剣山で仙縁を探し始めた理由です。
※「今日仙山與君別,此生無望再見君。」
(もしこの日に君と別れるなら、もう二度と君に会う機会がない。)
※「願赴江湖共進退,棄仙從君入凡塵。」
(私は君と共に進退します。仙子の身分を捨てて、凡人の世界に降ります。)
【紫月師姐】が涙を流し、すでにこの師弟を愛しているようで、仙縁を捨ててでも、彼を伴うことを選びました。
「紫月、君が決めたなら、私も君を強制しないで。」
雪妙子がため息をついた。
「師父、さようなら!」
紫月が涙ながらに師父に別れを告げた。
【紫月師姐】と【李久諒】は共に山を下り、世俗の紅塵に向かいます。
【凌霄城】は本来から虚無飄渺であり、その仙門は閉ざされ、誰もその場所を見つけることはありません。
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五日後
大唐朝・長安城
【李久諒】と【紫月師姐】は長安城に到着しました。
吐蕃・凌霄城と大唐・長安城は3000キロ離れています。
通常、陸路で移動すると3ヶ月以上かかりますが、紫月が仙師であるため、最速で御剣でわずか5日で到着しました。
李久諒の言葉:
※「吾乃唐太子,嗟哉不逢時。」
(私は唐の太子、生まれる時代を間違えたと嘆いて。)
※「父親年少死,宦官干政詞。」
(父は私が幼少のうちに亡くなり、宦官による政治的干渉があった。)
※「把權朝中政,擁立先帝子。」
(宦官は空位となった皇帝の権力を私を傀儡として擁立した。)
※「不甘其所迫,登山尋仙祠。」
(彼らの脅迫に屈せず、万剣山に登り仙人の祠を探す。)
紫月師姐の歌:
※「白龍下山路,紫氣東來時。」
(白龍が雪山を下ってくる、それは吉祥の象徴。)
※「朝陽耀大唐,紫月共班師。」
(李久諒が朝陽のように大唐を照らし、紫月師姐は月と共にこれを補佐する。)
※「內逐黨爭亂,外章國之勝。」
(この天象があれば、国内の党争を平定し、国を富強にすることができる。)
※「太平盛世老,與世共長辭。」
(このようにして大唐は隆盛を迎え、国主李久諒が死んでもその栄光は永遠に続く。)
李久諒と紫月師姐は剣を駆って皇宮の門前に飛び、それから歩いて入宮する。
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