文月の、種多く
かんな
Day1 夕涼み
神々の黄昏とはよく言ったものだ。その神々の定義をどこに持って行くかを間違えたものたちは、黄昏に身を焦がして消えゆこうとしている。体中が焼けるように熱かった。生まれた時はこれ以上に熱かったはずだが、言葉や意識を知覚する遥かに前のことである。長く続くと覚悟していた火傷は思いのほか早くに落ち着きそうで、そうなると自由になった思考を持て余す。かつては表面にざわめくものたちで考えることも及ばなかった領域、想像の世界が扉を開いた。
夕涼みにはちょうどいい。月は傍らにある。
調子を取り戻した海が大気を冷やすまで、地球は微睡むことにした。
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