第10話 初体験
その後、二人で脱衣所に向かい、服を脱いでいくことになったわけだが……ここで問題が発生した。それは、下着を脱ぐときのことだ。お互い裸になるわけだから当然見られてしまうことになるわけで、気まずさを感じずにはいられなかった。
しかし、いつまでもこうしているわけにはいかないと思い、覚悟を決めることにした俺は、意を決して一気に下ろして脱ぎ捨てることにした。一方れのちゃんも覚悟を決めたのか、ゆっくりと下ろして脱いでいった。
そして――お互い生まれたままの姿になると自然と目が合ってしまったため、恥ずかしくなって顔を背けてしまったが、すぐに向き合うことになる。その理由としては、れのちゃんが抱きついてきたからだ。突然のことに驚きつつも、しっかりと受け止めてあげることにしたのだが、その際に柔らかい感触が伝わってきたことで更にドキドキしてしまう。
そんなことを考えているうちに、れのちゃんは俺の胸に顔を埋めてきたので、優しく頭を撫でてあげることにした。そうすると気持ちよさそうな表情を浮かべてくれたので、嬉しくなった俺は、しばらくの間そうしていたのだった。
そして――俺たちは風呂に入ると、れのちゃんの体を洗ってあげることにした。まずは、背中から始めることにする。ボディーソープを手に取って泡立てると、それをれのちゃんの肌に乗せて、優しく滑らせるようにして洗ってあげた。
そして次に腕を洗い始めた時だった――不意に彼女が俺の腕を掴んできたかと思うと、そのまま自らの胸に押し付けてきたのだ。俺は突然のことに動揺しつつも、平静を装って尋ねる。
「えっと……どうしたの?」
すると、れのちゃんは恥ずかしそうにしながらも答える。
「その……胸も洗ってほしいなぁと思って……」
俺はその言葉にドキッとしたが、なんとか平静を装って答えた。
「わ、わかった……」
そして、恐る恐る触れてみると……柔らかい感触が伝わってきたため、思わず心臓が高鳴ってしまうほどだったのだが、それを悟られないようにしながら丁寧に洗ってあげることにした。その間、ずっと無言が続いたものの、決して居心地が悪いわけではなく、むしろ心地良い時間を過ごすことができたように思う。
その後は特に何も起こらずに、俺たちは風呂から出たのだった。
風呂から出た俺たちは、リビングに戻って再びソファーに座ってくつろぎ始めることになった。しばらく沈黙が続いた後、れのちゃんが話しかけてきたため耳を傾けることにした。
「あの、坂柳さん……」
その言葉に反応すると、彼女は続けてこう言った。
「今日、一緒に寝てくれますか?」
その提案に対して断る理由などあるはずもなかった俺は、素直に首を縦に振った。すると、彼女は嬉しそうに微笑んでくれたため、こちらも自然と笑顔になった。
それから程なくして寝室へと移動した俺たちは、ベッドの上に横になった状態で向かい合っていたわけだが――そこで、れのちゃんから思わぬ言葉を聞くことになる。
「あの、坂柳さん……」
何か言いたげな様子だったので聞き返したところ、彼女は恥ずかしそうにしながらもこう答えた。
「私……坂柳さんの子種が欲しいです……」
俺は何を言われたのか理解できなかったのと同時に、その言葉の意味を理解すると、動揺を隠しきれなかった。しかし、嬉しさを感じていたのも事実である。だから――俺は覚悟を決めて返事をすることにした。
「わかったよ……。それじゃあ、始めようか……」
そう言うと、れのちゃんも覚悟を決めた様子で小さく頷いてくれたので、ゆっくりと覆い被さるような体勢になり、唇を重ねた後――舌を絡ませ合う濃厚なキスを交わして、れのちゃんの首筋から鎖骨にかけて舌を這わせていくようにして舐め回していった結果、彼女は甘い吐息を漏らし始めたのであった――。
時刻は23時を過ぎている。
れのちゃんに子種をあげ終えた俺は、全裸でベッドの上に横たわっていた。
一方れのちゃんは気持ちよく寝息を立てている。
「まさか推しとこんな関係になるなんてな……マジで夢を見ているようだぜ」
独り言のように呟いてみたものの返事はなく、ただただ静寂だけが広がっていた。
そして、俺はそのまま目を閉じたのだった――。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます