アーカイブ~【第一回 短編で魅せる・読ませる】

【企画ページはこちら】

https://kakuyomu.jp/user_events/16818093073453725886



───以下の記事は、過去の近況ノートに掲載されたものを転載したものになります


紹介作品の作者さま、こちらのコメント欄にURL掲載の許可などいただけると、とても助かります。ご来場の際には、ご一考いただければ幸いです───



(以下記事)

(2024.03.18掲載)


…………………………………………………………



【短編で魅せる・読ませる】

自主企画へのご参加、誠にありがとうございました。


予告どおり、こちらの企画にご参加いただきました作品の中から、印象に残った作品へ

勝手に【天川賞】を進呈したいと思います。


なんの権威も意味もない賞ではございますけど、私の心を奪った作品たちです✨

是非おすすめしたい、傑作ばかりですので、よろしければこの機会にご覧ください✨



【天川の翼賞】


 今回の推しはこの2つの作品です。

 圧倒的没入感と描写力、文体の持つ美しさ……

 私もいつかこんな作品が書けるようになりたい✨

 そんな私のリトルウィングに羽ばたき方を教えてくれた作品です✨



○ 今日も電波塔で龍が死んでいる/ふとんねこ様


 非現実的なのに、鮮明に脳裏に描き出される風景。世界観の構築が圧倒的で恐ろしい程でした。

 死して骸を晒す、異形のあやかしたちは、かつて人間が普遍的に持っていた、大いなる目に見えないものに対する、恐れと敬い。

 失われつつある、大切な何かを……彼らは死して教えてくれているようでした。

 惜しむらくは……私が推すまでもなく、既に☆がたくさん付いていること💦

 さすが皆さんわかってらっしゃる。


○ 沢邑先輩/猿川西瓜様


 印象、読後存在感と云う意味で、今回の作品の中で、私にとってはナンバーワンだった気がします。

 ラノベやケータイ小説は小説じゃない、等と口さがない人は言いますが、人の心を動かすのならそこに境界はいらないとも思います。

 ですが、文体の格調とそこに流れる空気感の次元の違う感じというのは、確かにあるのかもしれません。

 この作品からは、まさに次元の違う作品力のようなものを感じてしまいました。

 あたしもいつかは、こういう作品が……と願ってしまうような、そんな一作でした。



【天川の涙賞】


 今回の涙賞は、それぞれ違う涙を私に流させてくれた3作品へ。こちらは、私の嗜好が色濃く反映されております。私のような涙腺持ちの方にお薦めです✨


○ 【短編集】旅人は出会う/かねおりん様


 大人に贈る、絵本…でしょうか。

絵本の物語は、暗示的で示唆的で、時に残酷さをもって心に刺さります。今の自分に足りないもの……それを提示されたとき、人は変われるのか、それとも過ちを繰り返すのか。



○ タワマンの影になる/日笠しょう様


 周囲の人間から遅れを感じ、取り残されていく……絶望感と虚無感。焦燥感は既に手遅れなほど……。

 恐らく現代社会を生きる人が一番避けようとする生き方なのではないでしょうか。言ってしまえば、こうなりたくないから、いい会社、いい結婚、いい子育て、いい友人付き合い……、それらを渇望して……いえ、追い立てられて抑圧されて。

 それらを手にすることが出来なかった、そして周囲から取り残された人間の姿の描写が圧倒的な質量と諦観さえ伴って心にのし掛かります。

 私がまさに、こうなので💦

 この作品は読みながら、心に血の涙を流しておりました。

 


○ 選ばれなかった人/海様


 この作品に関しては、読み手によっては少し難しいと感じるかもしれません。斯く云うわたしも、身構えるような読み始めだったのですが……。作中に感じる主人公の心理の「手触り感」のようなものが、とても生々しく実感を伴って迫ってくるようでした。そして、夜の街をさ迷う心に、かつての自分を投影せずにはいられませんでした。

 苦しみが行き過ぎると、涙も流せない……。そんな、「流せない涙」を流させてくれた、一作でした。

 他と方向性は違いますが、読後感の質量はかなり大きかったです。実は、こちらの作品には☆は添えたのですがレビューはつけられなかったんです。私の表現力の無さで語る野暮さが作品を邪魔してしまいそうで……💦

 ですが、一応今回の推薦作は全てレビューを残したものから選んでおります。よって、今回選ぶにあたり、改めてレビューを添えさせていただきました。それくらい印象深かったのです。



【天川のおかわり賞】


 食べることは全ての根元です。

生きるためには食べねばならぬのです。

例えそれが、どんなに辛いときであっても……。


 物語のなかに出てくるお料理がアクセントになっている、そんな作品からピックアップしてみるのも面白いんじゃないかな。

そう思って、急遽部門賞を増設しました。

何しろ、こうでもしないと、取り上げたい作品が多すぎる……💦

 今回は、それほどに良作が多かったのです。


○ 煙草/増田時雨様


 私の心のトラウマを刺激する、触手のような生々しい手触り……、心が死んでいく過程がとても現実感を持っておりました。あまりのことに、作者様に確認を取ってしまった程です💦



○ ささくれカレーを食べたい夜は/カエデネコ様


 こちらも、ちょっと切ないお話。いなくなって初めて実感する優しさとかけがえのなさ。主人公の背中に、自分を投影せずにはいられませんでした。



【天川のツボを突いた賞】


重いだけが小説じゃない、さくっと、楽しめる、美味しいところをひょいっと持っていく……。

そんな、涼風のような楽しくも素敵な作品に推薦を述べたい。

そんな思いから、急遽増設した賞の2つめw

取り上げないのが勿体無い、例え賞をでっち上げてでも、そんな独断で選んだ楽しい作品✨


○ 青年よ、夜を行け/磧沙木 希信様


○ 夜の浜辺に響くブルース/山井縫様


迷わず読めよ、読めばわかるさ。

こちらの作品に関しては、ぜひノーヒントで楽しんでいただきたいと思います。ライトでお薦めです。



改めまして、多数のご参加ありがとうございました。

また機会がありましたら、企画を立ち上げたいと思います。

本当にありがとうございました✨

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