異世界転生、ナレーターと共に行く異世界旅!

チクゼンニ

第1話 始まり

俺は今……鬼気迫る勢いて走っている。


「ど!ドドドどど!?!???どういうことー!!??」

 

ジメッとした薄暗い洞窟のような場所でおれは、今まさに走っている。何故走っているのか?そんなもの決まっている。


「グルルルァァァァ!!」


唾液を垂らし牙をむき出しにしたクマのような……どちらかというと巨人のような生物においかけられているからである。


ナニコレ、ポリコレ、ポルトガル?いや、意味わからんねぇよ!?どうしてこうなった、何で、ほんとに意味わからん。俺はさっきまで家で寝てたはず、いや、寝てたよね?

目が覚めたら洞窟の中でモンスターに襲われるとか、どこの異世界転生物語だよ!


そんな事を思っていながら走っていると先に見えてきたのは洞窟の行き止まりだった。

その時、石狩ユウトは思った……というか叫んでいた。


「うん、死んだわワイ」


その言葉と同時に後ろから迫っていた巨人のような生物は彼に対して右手を振り上げて、爪で彼を切りつけた。


「…………オワタ」


その爪はたまたま彼の目の前を切り裂くようにして空を切ったが……石狩ユウトはその時点で気を失ってしまった。



『こうして彼の異世界生活は………終わりを告げたのだった。』


「いや、ちょっと待て、勝手に終わらせないでくれる!?後ナレーションみたいな声入ってるけど、何これ!?すごく気色悪いし、ムカつくんですけど!??」


『………いや、さっさと死ねよ』


………何この頭の中に響く声、辛辣すぎん?いや、そもそもこの状況もわからんし、変な声あるし、巨人入るしで、もう意味わからん。


「グルァ?」


いや、巨人も戸惑って攻撃してくるのやめてるし、ナニコレ、ポリコレ、パリコーレだよ。いやだから意味わからんけど。

というか、さっきから意味わからんけどしか言ってないな俺。人って状況を整理できないと意味わからんしか思わないんだな……きっと!


『あんた、このまま突っ立ててもいいけど……ほんとに死ぬよ?』


また、頭の中に声が響くと同時に前の巨人も動き出した。

巨人は再度右手で引っ掻いてくる。今度はこちらも避けるように後ろに下がるが壁に阻まれて、後ろに下がらなかった。

咄嗟に両手でガードするように腕を組んだが、巨人の手が触れた瞬間、彼の体は宙に浮いていた。

凄い勢いと音により、一瞬その場の空気が震えたような感覚になった。


「…は?……え?」


『あ~あ、死んじゃった』


その声と同時に今度こそ石狩ユウトは視界が暗くなり、意識を失った


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