Stay Alive.Say.4.隠しクエストと初めての仲間メイ!(6)


Stay Alive.Say.4.隠しクエストと初めての仲間メイ!(6)


始まりの町の中心部の噴水台、一筋の光が差し込んだ。

光が消えると、そこから満身創痍になったシャルとメイ、そしてライラが現れた。


「シャル、ライラ、大丈夫?!」


緊急脱出注文書で村に戻ると同時に、メイは心配そうな表情でシャルとライラの世話をした。


「私は大丈夫です、直撃される前にシャルさんがかばってくれました…」


自分に火炎が直撃するのを防いでくれるシャルをライラは思い出した。

火炎と向き合った瞬間、シャルは自分を守るより先に肩にある小さな生命に向かって手を上げてかばってくれた。


「私よりお二人さんは大丈夫ですか?!」


しかし、ライラは自分よりシャルとメイがもっと心配なのか心配だという表情で二人を眺めた。

でも、ある意味でそれが当たり前だった。

シャルは今もリアルタイムで燃えており、何よりメイは毒中毒になって本当に体調が良くないように見えた。

傷口からは赤黒く血筋が立ち、目は赤く充血して毛細血管が立っていた。

しかし、2人はどちらも平気なように「大丈夫」だと話した。

そして、本当にまもなくシャルとメイは皆完全に回復し、元気になった姿を見せた。

これに対し、ライラは改めて異邦人の強靭な生命力に感嘆すると同時に、異邦人は皆、怪物かもしれないという確信ができた。

しかし、それはあくまでも非戦闘時の場合だった。

強い生命力だけではその2匹のエクソクォールには勝てなかった。

たとえその時、シャルとメイがペンダントという目的の下でクォールリアを殺すよりは、ペンダントの回収に重点を置いたとしても、奴らは想像以上に強かった。

もう一度正面戦を繰り広げるとしても、勝利を確信することはできなかった。

実際、クォールリア 一匹でもかなり苦戦を強いられた!

それだけか、クォールレギウスが合流した時点では押されるばかりか圧倒された。

すなわち、今の状況で奴らと正面から殴り合っては勝算がないということだった。

もちろんレベルを上げていればいつかは倒すことはできるかもしれないが、だからといっていつまでもこの初心者ゾーンに立ち止まることはできなかった。

自分より弱いモンスターとの戦闘では経験値の需給が急減する。

それにレベル15になると、望んでも望まなくても転職のためにこの初心者ゾーンを離れて首都に行かなければならなかった。

職業を得れば今より強くなることはできるが、その後再び初心者ゾーンに戻ってくるのも非効率的なことだった。

だからシャルもメイもできるだけレベル15になる前に奴を倒したかった。

そしてそのためには対策が切実に必要な状況だった。


こうなった以上、もう本当に他の人たちの力を借りるしか方法がないのか?


シャルが真剣にそのように悩んでいた途中、突然何かがひらめいた。


あれ?待ってよ。

あの時、なんであの二匹はたたかたんだろう?


シャルは、エクソ クォールレギウスとグリムタロンが戦った跡を思い出した。

燃える木だちの間を越えてシャルを眺めるグリムタロンの姿!


あの二匹······ また戦わせることはできないかな?


もしそれを人為的に造成することができれば、今のシャル一行にとってこの上ない機会かも知れないと思った。

しかし、すぐにそれさえも大した意味のない行動であることに気づいた。


いや、違う!

遠すぎる!


エクソクォールの巣とグリムタロンの生息地は遠すぎた。

そこに二匹を戦わせても何が変わるというのだ?

弱った二人の戦いに割り込むのか?

常識的に2人のモンスターの戦いに巻き込まれ、シャル一行が死ぬ確率がさらに高かった。

互角に戦う二人のモンスターの戦いの中に割り込むことだけでも、エクソクォールの群れと戦うのと同じリスクを持っていた。

それに、奴らは状況が致命的になる前に戦いを止めたのでは?

これでは見込みがなかった!

到底これだという方法が浮かばなかったその時、シャルの頭の中に泣き叫ぶクォールリアの姿が浮び上がった。

そしてその瞬間、もう一つの疑問が頭の中に浮かんだ。


あの時どうしてそこまで早く クォールレギウスは帰って来たんだ?

やつはたしか一度出れば少なくとも1時間は帰ってこないはず。

しかし、あの時、私たちが探索をしながらクォールリアと遭遇し、クォールレギウスが来るまで長い目で見ても10分前後。

早すぎない?

それじゃ、もしかしたら…?

クォールリアか危機を察知してクォールレギウスを呼んだのか?!


確かではなかった。

しかし、もしその逆の場合も可能ならどうだろうか?

もしクォールレギウスもまた、生命の危機でクォールリアを呼ぶ特性を持ったとしたら?

そうなれば奴らを同時に巣の外に誘引できるだろう!

そして、本当にそうなると、しばらくの間、あいつらの巣が無防備になる!

しかし、現在実際にもそうであるかどうかは分からなかった。

クォールレギウスがクォールリアを呼ぶかもしれない。

それはあくまでもシャルの推測の域だった。

そして、何よりも実際にその確率が低いかもしれない。

それこそ卵を守るために雄を呼ぶ動物はかなり多く存在するが、雄を守るために卵と子供をあきらめる動物は何種類いるだろうか?

そのため、シャル自身もまだこの考えに対して、それほど確信を持って肯定的な立場ではなかった。

シャルが苦悩に満ちた表情でくよくよしていると、メイが声をかけてきた。


「シャル、何をそんなに考えているの?」


彼女が尋ねると、シャルは一人で考えても良い解決策につながらないので、メイにすべてを話した。


「ふむ…だから、もしかしたらクォールリアを巣の外にさしだすことができるかも知れないということだよね?」


しかし、メイもまた確信が持てないか悩んでいる表情になった。

それからしばらく悩んだ末、すぐに話を続けた。


「正直よくわからない、でも、こうしてじっとしていても、わかることはないとおもう、だから、とりあえず、いろいろ試してみよう!」


確かにそれが一番良さそうだった。

確実でなければ試してみればいい!

それに、実際に戦闘をしてみると、何か方法が思い浮かぶかもしれないことだった。

そうして二人は装備を整備した後、直ちにエクソクォールの巣に向かった。

巣に着いてからしばらくは、クォールレギウスの行動パターンを見ていた。

奴が洞窟の外に出ると、メイとシャルの2人のうち1人がライラと一緒に奴を追跡し、奴の移動経路を分析した。

そして、残りの一人は洞窟を果てしなく監視した。

そのように一日が丸ごと過ぎるまでシャルとメイはこれを繰り返した。

その過程の中で、クォールリアが洞窟の外に出ることは一度もなかった。

翌日。

前日の苦労でシャルとメイはクォールレギウスの移動経路と行動パターンを完全に分析することができた。

奴は山脈と雪夜を円を描きながら監視しながら移動した。

そして、雪夜のスタート地点でタロンたちとぶつかり合ったりした。

雪夜の草食性モンスターたちはタロンにとってもよい獲物になった。

そのため、タロンたちは狩りのために多少危険を監査してでも雪夜まで進出した。

おそらく、以前のグリムタロンとクォールレギウスの戦闘は、そのようなタロンの狩りの過程で発生したクォールレギウスとの勢力争いだったのだろう!

実際、雪原の全てのモンスターを餌にするクォールレギウスの立場から、タロンは自分の家の冷蔵庫をかき分けに入ってきたこそ泥に見えたはずだ!

これを知っているのか、他論もできればクォールレギウスが出現すれば席を避けた。

しかし、それでもクォールレギウスは目にタロンが入ってくると無残に虐殺した!

自分の領域に入ってきた異物を決して許さないクォールレギウス!

そのため、粛清の対象はタロンだけではなかった!

探索過程で縁起が悪い時は、シャルがクォールレギウスに発見されることも少なくなかった。

そうなると、奴は容赦なく火炎を吐きながらシャルに飛びかかった!

ムムナガゲに乗って奴の火炎弾をあちこち避けて走るシャル!

馬と同じ速度を持つムムナガゲといっても、空を飛び回るクォールレギウスよりは遅かった!

だから単純に直線で走るだけでは奴に追いつくのは時間の問題!

シャルはすぐ後ろまで飛んできたやつがその鋭い足を蹴った瞬間に合わせて方向を変えて攻撃を避けた!

そのようにしばらく走って雪夜を越えて鬱蒼とした木地帯に入るようになった後になってようやく、クォールレギウスは追跡をあきらめて空高く消えていった。

奴が諦めて帰るのを確認したシャルは、ムムナガゲから降りては一生懸命走ったムムナガゲを撫でながら物思いにふけった。


さぁ、このあたりであいつらの移動経路はある程度わかっだけど···


しかし、問題はあのクォールレギウスが果たしてクォールリアを呼ぶかどうかだった。

それに関しては依然として未知数だった。

結局、それを知るためには百聞は一見に如かず、奴との直接戦闘をするしかなかった!

クォールレギウスを調査する過程でレベルが再び上がり、現在のシャルのレベルは12になった状態だった。


----------------------------------


-ステータス。

-名前:シャル。

-レベル:12。

-種族:人間。

-職業:なし。

-称号:なし。

-性向:100(善良)。

-HP(生命力):550/550。

-MP(馬力): 100/100。

-筋力75。

-体力55。

-敏捷10。

-知能10。

-知恵10。

-幸運10。


----------------------------------


「やはり、もう一度戦うしかないのかな?」


果たして今のシャルが奴にどれだけ対応できるだろうか?

シャルは一日中、奴を追いかけ、また追いかけた時間を思い出した。

火を噴いて飛び込むクォールレギウス。

シャルはあいつの攻撃パターンについてもほとんど把握を終えた状態だった!

だからこそ、少なくとも前回の実態は繰り返さない自信はあった。

それでもまだ勝てるという決定的な確信が持てなかった。

1対1なら自信があった。

しかし、もし作戦が成功してクォールリアが来たら?

その部分においては、メイがいたとしても確実に勝つ自信がなかった。

もちろん勝たなくても構わない。

しかし、死ぬことだけは避けたかった。

24時間。

一度死んだらできてしまう究極のペナルティ。

30万円。

300ゴールドを手に入れるために1分1秒でも多く働いて稼がなければならないシャルにとっては、絶対的に避けたいペナルティだった。

だからこそ、いつも前提は死なずに生き残ることにしたかった。

だから少なくともあと一つ確認しておきたいことがあった。

実験してみたいことがあった。

いざという時に使えるように!

ライラはそのようなシャルを見て、心配そうに話した。


「本当にすやるんですか?」


「そうだな、やってみないとね、 私もやはり死にたくわないからね」


シャルを背後の大剣を強く握り締めた。

そのようなシャルを眺めながら、ライラは冷や汗を流しながら、虚しい表情で鼻を咲かせながら言った。


「私はこれこそ自殺行為だと思うですけどね」


「まったく皮肉なことだね」


シャルは納得するように真剣な表情で笑いを流した。


「来た、ライラ、頼んだ通り雪夜でムムナガゲを連れて待機して、今度の実験が終わったらメイと合流してすぐに作戦を始めよう」


シャルは大剣を抜いて,正面に迫ったタロンに向かって狙いを定めた。


「そうですね、すぐに始めましょう 私たちが生きて帰ることができたらですね!」


そう言って、ライラはムムナガゲを連れて雪夜に向かった。

そして次の瞬間、タロンがシャルに向かって飛びかかった!

そしてまもなく山脈全体にタロンの雄たけびのハウリングが鳴り響いた!


■□■


エクソクォールの巣のある山脈の洞窟の近く。

メイは雪に覆われた木と草むらの間に身を隠していた。

ガサガサ!

突然草むらから聞こえてくる人の気配に頭を向けると、少し焦げたシャルが草むらから姿を現した。

シャルの姿に緊張をほぐしたメイは、笑みを浮かべながら口を開いた。


「よかった、無事に帰ってきたね、それで結果はどう? うまくいった?」


シャルは返事の代わりに親指を立てた。


「メイさん!本当にもぉ前から思ったですけど、この人本当に正気ではありません! 本当に死ぬかと思ったんですよ、今日の今日は本当に?!!」


そう言いながら、シャルがかぶった獣の皮から飛び出したライラは不平を言った。


「はは、本当に大変だったね、でも無事で何よりだよ」


ライラは微笑むメイの手のひらの上に座った。

メイはシャルを見て口を開いた。


「それで勝算はありそう?」


「やってみないと分からないけど、今度は私も手ぶらじゃないからな、どうにかしないとな」


シャルはそう言って,腰のスクロールに手を上げた。

不確実なように話すシャルだったが、それでもなぜか以前より自信があるような声だった。


「これから最後に作戦を説明する....」


シャルは作戦を説明し始めた。

いや、正確には作戦を説明していたその瞬間を思い出した!

飛んでくる火炎弾が雪を溶かし、炎とともに上昇気流を起こした!

吹く風を防ぐために顔を覆うのをしばらく。

腕を上げて前を見ると、クォールレギウスは堂々とシャルとメイの前に着地し、その姿を引き出した!

炎とともに現れた天の王子。

そして風圧と共に翼を広げて空高く咆哮した!


今から私たちはクォールレギウスと全面戦を繰り広げる。

決戦の地は雪夜と森地帯の境界。

もし全てがうまくいけば......

ライラ、君の役割が一番重要になる......


メイはクォールレギウスを見ながらシャルに話した。


「油断しないで、シャル、どんな過程があったとしても、私たちはもうこいつに一度負けでいる」


「うん、わかってる」


シャルは大剣を強く握った。


やはりこいつでかいね···


初めてやつを見た時は感じなかったがもう一度見たら確かに感じることができた。

やつはメスよりずっと大きい!

そして、ただ大きいだけではなかった。

奴には毒がない代わりに雌より高い攻撃力があった。

実際、シャルが奴から火炎弾を受けた結果、20%の生命力を奪ったクォールリアの火炎弾より、奴の火炎弾は1.5倍も強い威力を持っていた。


でもまあ、今はそんなのどうでもいい。


シャルは大剣を抜き、クォールレギウスに向けて足を踏み入れた。


「さあで、とれやってみようか」


シャルはそう言って、クォールレギウスに向かって飛びかかった!

そして、全力くて、大剣を奴の頭に向かって打ち下ろした!

避けることなく、奴はシャルと同じように力で打ち返した!


「今度は、ペンダント抜きの正真正銘の力比べだ!」


ライラ。

君はここで待って。

そして、もしあいつが窮地に追い込まれてクォールリアを呼んだら、君がその隙を狙ってペンダントを回収するんだ......


力と力の衝突!

クォールレギウスは力いっぱい頭を上げてシャルを大きく押し出した!

それで、シャルは数メートル後ろに押し出されてしまった!

しかし、姿勢は全く崩れなかったことをもちろん、すぐに次の攻撃を実行する準備をした!

しかし、シャルの次の攻撃より先にメイが飛び出した!

俊敏で幽玄な身のこなしで、まるで体操選手のように飛び上がり、やつの背中に飛び乗って、やつを見下ろした!

そしてそこにはこの前グリムタロンとの戦闘で負った負傷によって壊れた軽甲の隙間が見えた!

まだ肌の軽甲組織が癒えていないまま、その傷は残っていた!


でも、もし奴がクォールリアを呼ばなかったらどうしましょう?


メイはそのまま奴の背中に乗り、その隙間に向かって短剣を突き刺した!

まるで豆腐を刺すように柔らかく打ち込む短剣!

奴もまた苦しいのか悲鳴に近い咆哮を上げた!

苦痛によって本能的に奴は身を起こした!

そしてシャルはその隙を逃さず飛びかかり、大剣で奴の腹部をつついてくれた!

自分の腹部を突く、大きくて厚い大剣!

爆発するやつの苦しい悲鳴を聞きながら、シャルは自分がライラに言った最後の言葉を思い出した!


その時は··· 俺たちがこのままクォールレギウスを討伐する!


■□■

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る