第3話 赤の世界の物語(茜)
茜は科学者の女性だった。
世界をよりよくするために、様々な研究をする者だ。
彼女は、多くの人のために毎日、寝る間も惜しんで研究を続けた。
そうして彼女は、ついに完成させる。
物を燃やす事で、エネルギーを得る方法を。
それは、多くの人たちを確かに幸福にした。
しかし、エネルギーを止める方法は開発されなかった。
始めるならば止める方法も研究しておくべき。
そう主張した茜の言葉は無視されたからだ。
止める方法が分からないまま始まったその燃焼は、絶えず燃え続け、やがて全てを燃やし尽くす。
人も、大地も、何もかも。
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