第10話 ようこそ!クソ法律図書館へ ②世界編
皆様、ごきげんよう。
おんぷ正義感です。
前回はアメリカのクソ法律を取り上げた。
ちょっと前まで『世界の警察』みたいなことを言っていたような気がするけど、こんな狂気に溢れた法律を作っていたとは。
最近、世に蔓延る狂気を調べているのだが、アメリカ由来が多いことに驚く。
今後もアメリカから目を離せないと思った次第だ。
だが、やはり世界は広い。
世界中を探してみると、様々な文化によって生み出されたイカれた法律が存在しているのだ。
今回はそんな世界の法律を紹介しようと思う。
『宇宙人を店頭で販売してはならない』(フランス)
最初を飾るのに相応しいクソ法律の登場だ。
宇宙人を販売するというシチュエーションにツッコミが殺到しそうだが、よく見てほしい。
禁止されているのは『店頭』での販売なのだ。
地下オークションなどで販売すれば、合法ということだろうか。
えっ、もしかしたら本当に販売しているのかも?
『ぶどう園でUFOを停止・着陸させてはならない』(フランス)
ぶどうの上に着陸されたら、おいしいワインが作れなくなるからね。
というフランス的な理由なのかは分からないが、UFO側としてもぶどう園は着陸しにくそうだ。
そういえば、ミステリーサークルは麦畑や田ばかりなのだが、宇宙人側もこの法律を健気に守っている可能性が否定できなくなってきた。
宇宙人相手に守らせることができたのだとしたら、クソ法律どころの話ではない。
『枕を持ち込んではならない』(ドイツ)
枕が変わると寝られない人がいるのだが、そんな人でもドイツには枕を持ち込むことができない。
ドイツでは『枕=凶器』という認識なのだ。
彼らは一体どんな危険な枕を使っているのだろうか。
修学旅行といえば、枕投げだと思うのだが、ドイツでやったら怪我人が続出するのかもしれない。
凶器というより、狂気が溢れている。← 笑うところ
『容姿が美しくない女性はビキニを着用してはならない』(イタリア)
『容姿の美しさ』のように数値化できないものを法律にするなんて、さすがはイタリアだ。
気が狂っているレベルが尋常ではない。
ビーチに警察がいて、『あなたは美しくないので逮捕します』みたいな事を言うのだろうか。
そして裁判で『美しくないから有罪』だという、審判が下るのだ。
こんな裁判で負けてしまったら、二度と立ち直れないだろう。
『国会議事堂で死んではならない』(イギリス)
人は必ずしも死に場所を選べる訳ではない。
心臓発作で急死することだってあるんじゃないだろうか。
うっかり国会議事堂で死んでしまったら罪に問われるのだろうが、死んだ人をどうやって裁くのだろうか。
『国会議事堂に甲冑で入ってはならない』(イギリス)
今の御時世に甲冑で登場するのは、こち亀の大原部長くらいじゃないだろうか。
普通に『武器を所持してはならない』くらいにしておけばいいのに、きっと過去にやった人がいたのだろうと推測する。
『日曜日はピンクのショートパンツ禁止』(オーストラリア)
ピンクのショートパンツを履いた人が日曜日に何かとんでもないことをやらかしたのだろうか。
あまりにもピンポイントすぎる法律だと経緯が気になる。
『雪男を殺めてはならない』(カナダ・ブリティッシュコロンビア州)
こういうことを言い出すと、全てのUMAに対して法律を作らないといけないのでは。
無闇に命を奪わないという姿勢には一定の理解ができる。
『魔法・黒魔術・霊感商法を詐欺目的で行ってはならない』(カナダ)
おいしくな~れの魔法も違法行為になるのかもしれない。
あまり関係ないけど『黒い呪術師』の異名で有名なアブドーラ・ザ・ブッチャーさんは、実はカナダ人だ。
国籍詐欺でもあるので、この法律に触れている可能性がある。
『飛行中の航空機に乗り込んではならない』(カナダ)
わざわざ言われなくても、やりませんけども。
カナダ人はこういう法律を作らないと、実際にやろうとする人がいるのかもしれない。
私の記憶でこんなことをできるのは、男塾塾長の江田島平八だけである。
知らない若者も多いと思うので軽く説明すると、かつて少年ジャンプで連載されていた『魁!!男塾』という作品に出てくるチートキャラのことだ。
太平洋戦争では戦闘機の間を飛び移り、『EDAJIMAがあと10人いたらアメリカは敗北していただろう』と大統領に言わせるほどアメリカ軍を恐怖に陥れるのだ。
もしかしたら、この法案を作った人は男塾の読者ではないだろうか。
連載時はあまり気にしていなかったが、この『魁!!男塾』という漫画は狂気に満ちた作品であった。
劇画タッチの絵柄で一見真面目にストーリーが展開していくのだが、煮えたぎった油の風呂に入ったり、民明書房とかいう架空の出版社の書籍を引用した『それっぽい嘘』が紹介されたり、いわゆるギャグ漫画とは一線を画した逸品と言える。
江田島も相当やりすぎなのだが、私が最も衝撃を受けたのが『大豪院邪鬼』というキャラだ。
作者の画力がおかしい可能性もあるのだが、あまりにも大男すぎて、大仏みたいな感じになっている。
他のモブキャラより、邪鬼の靴の方が大きいくらいだ。
ご存じない方は、口に牛乳を含んだのち、是非ググってみてもらいたい。
そんな『大豪院邪鬼』から私のもとへ年賀状が届いたのは高校3年の時だ。
母がその年賀状を見て、『あんたの友達って、変わった名前の子がいるのね』と呟いたのだ。
いや、そんな名前の人いるわけないだろ、子供に邪鬼なんて名付ける親がどこにいるんだと言ったところ、どうやら完全に信じていたらしい。
私の残念な母をまんまと騙した『大豪院邪鬼』の正体は岡本君という、男塾が死ぬほど好きな友人であった。
彼は裏表が全く無い、素晴らしい友人であったのだが、受験期に知り合ってしまったため、あまり一緒に遊べなかったことだけが心残りだ。
全ての受験が終わったある日、私は他の友人数名と岡本宅に招待された。
彼の部屋の本棚には『デラべっぴん』という、当時最も有名な叡智な雑誌が創刊号から最新号まで順番に収められており、『オススメは◯年◯月号の◯ページだよ』と聞いてもいない情報を教えてくれるのだ。
実際に拝見してみると、なるほど確かに!と思えるほどの名伯楽ぶりを存分に感じることができたのだ。
だが、そんな情熱を勉強に向けることができなかったので、我々は全落ちしていた。
この日は三国志のゲームをしながら、傷の舐めあいと、来年以降どうするかの情報交換を行うために招待されたのだ。
しかし、このあと帰宅した私の元へ、第3志望の合格通知が届いていた。
全落ちだと思っていたのに、まさかの大逆転が起きて、私は歓喜した。
だが、岡本君たちのことを考えると憂鬱な気分にもなった。
彼らは一体どう思うのだろうか。
翌日、登校した私のところへ岡本君たちが駆け寄り、『合格おめでとう!』と言ってくれた。
彼らは妬むこともなく、心から祝福してくれたのだ。
ありがとう、岡本君。
ありがとう、大豪院邪鬼。
昔を思い出し、思わず涙ぐんでしまった訳だが、結論としてはやはり世界は狂気に包まれていると言えるだろう。
岡本君のような素晴らしい友人でさえ、狂気に魅入られているのだから。
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