第9話 ようこそ!クソ法律図書館へ ①アメリカ編
皆様、ごきげんよう。
おんぷ正義感です。
皆様は国語が得意だろうか。
私はバキバキの理科系人間なので、国語は苦手だった。
そんな国語には、『作者の気持ちを答えなさい』という一見無茶振りとも思える問題形式が存在している。
以前、オードリー若林さんの書かれた本から大学入試に出題された際、若林さんに出題された問題が送られてきたそうだが、実際に解いてみた感想が『へえ、そうなんだ……』だったと聞いたことがある。
同様の話は結構あるらしく、『作者が作者の気持ちを分からないという珍事件』はあちこちで起きているのだ。
作者の気持ちなんて他人が分かる訳ないので、そもそも問題として成立しないと思われがちだが、実は本当の意味は別のところにある。
この問題の真の意味は『出題者の気持ちを答えなさい』なのだ。
出題者がこれだと思った回答に対し、論理的に誤っている回答を混ぜ、そこから選ばせている。
この方法であれば、常に答えが1つだけ存在することになるので、問題として成立させることができる。
よって、作者の気持ちなんて本当はどうでもいいのだ。
なぜ、このような問題を解かねばならないのかというと、成人した後にやってくるであろう『契約書を論理的に読むこと等』の訓練だと言われている。
もし、契約書が悪意を持って書かれていたとしたらどうだろうか。
契約を正しく理解することは自分自身を守ることに繋がるのだ。
『法律の解釈』も同様だ。
法律を作成した者がどのような背景と意図を持って書かれたのか、論理的に理解することで法律は上手く運用できるのだ。
読む者によって解釈が大きく異なるようでは困るということだ。
ところが、世界は広い。
『この法律を作ったヤツ、ちょっと頭おかしくない?』と思われるような、残念法が実は存在する。
こういった残念法の前では、作者の気持ちなんて知りようがない。
なぜなら論理的に破綻しているからだ。
よって、今回は『世界中に存在する意味がよく分からない法律』を取り上げてみたいと思う。
『魚を酔わせてはいけない』(アメリカ・オハイオ洲)
制定されたのは1950年代とのことだが、なぜ作られたのかはよく分かっていないらしい。
臭みを取るために酒をぶっかけるのも違法なのだろうか。
こんなので逮捕するとか言われたら、ギョッとする。← 笑うところ
『警察官は、犬を静かにさせるためなら犬に噛みついて良い』(アメリカ・オハイオ州)
ますます騒ぐと思う。
自分で噛みついてみてから法案を作成すべき事案。
まさかと思うけど、『魚を酔わせてはいけない』と同じ人が作ってないよね? オハイオ州だし。
『消火栓にワニをつないではいけない』(アメリカ・ミシガン州)
消火栓以外でもダメだろ。
消防法的な理由なのだと予想するが、想像力の欠如が異常な領域に達している。
『ライオンを映画館に連れて行ってはいけない』(アメリカ・メリーランド州)
過去に、映画館に連れてきた人がいたのだろうか。
映画館に連れて行く前に大惨事となることは必定だ。
ワニの件と同様に、想像力の欠如が異常な領域に達している。
『クマとレスリングをしてはいけない』(アメリカ・オクラホマ州)
金太郎の肩身がますます狭くなると思われ。
何言ってんだ?と思うかもしれないが、実際にバーでやっていて、動物虐待の観点から制定されたとのこと。
むしろ、戦わされる人間への虐待だろうと思うのだが、世界は広いことを思い知らされた気分だ。
『キスを頻繁にする男性は髭を蓄えてはいけない』(アメリカ・インディアナ州)
へえ……。
べ、別に悔しくなんかないんだからねっ、髭を伸ばしてやる!
『ホテルの部屋でオレンジの皮をむいてはいけない』(アメリカ・カリフォルニア州)
オレンジと言えば、カリフォルニアのイメージが強いのだが、まさかの禁止令。
汁が飛んで汚れるから?と思いきや、バスタブで剥くのはホテル以外でも禁止なのだそう。
この法律を作った人は、オレンジに親を殺されているに違いない。
『ジャンプコンテストで命を落としたカエルは、原則食べてはならない』(アメリカ・カリフォルニア州)
カエルといえばジャンプする生き物だと思うのだが、命を落とすほどのジャンプコンテストとは……あまりにも穏やかではない。
『原則食べてはならない』ということは、何らかの特例措置もあると思われる。
命を落としていなければ食べても良いのだろうか。
謎は深まるばかりである。
『6月に許可無くウサギを撮影してはならない』(アメリカ・ワイオミング州)
ウサギだって休息が必要なんだよって事らしい。
どうしても撮影したい場合は5ドル支払って許可を取れば撮影できるとのこと。
ちなみに、ウサギは湿度が苦手らしく、日本では6月の梅雨時期は体調管理が難しいのだとか。
ワイオミング州も湿度が高いのだろうか。
『犬に対して変顔を披露してはならない』(アメリカ・オクラホマ州)
日本ならほとんどの愛犬家が投獄されるであろう、クソ法律。
そもそも、犬は人間の変顔が嫌いなのだろうか。
犬を可愛がるときは、笑顔が変顔になっていないことを鏡で確認してみよう。
ほら、そこのあなた。
変顔になってるよ。
『フライドチキンは素手で食べること』(アメリカ・ジョージア州)
実際にナイフとフォークで食べて逮捕された観光客がいるらしい。
ジャンクフード好きな私も当然大好きなのだが、手がベタベタになるのが困り物。
外出先だと特にね。
とはいえ、手で持ってガツガツと齧り付くのもフライドチキンの醍醐味であるとも言える。
『犬と猫は喧嘩してはいけない』(アメリカ・ノースカリフォルニア州・バーダー)
ここで言う喧嘩とはどんなものなのか気になるところ。
吠えるだけでダメなのか、襲いかかるところからなのか。
一見すると馬鹿げた法律に見えるのだが、我が日本でも『生類憐みの令』という上位互換のような法律が存在していたことを考えると、案外深い理由があるのかもしれない。
――
いかがだろうか。
さすが訴訟大国のアメリカといったところだ。
クオリティの高いクソ法律ではないか。
これでもほんの一部だというのだから、恐れ入る。
次回は世界にも目を向けてみようと思う。
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