第2話  何はともあれ衣食住



 さくらは門番の人に案内されて街の中の役所のようなところにやってきた。


「ここで移民として住民登録ができるから。これからどうすればいいのかも教えてもらえると思う。」


「ありがとうございます。」


 私は門番の人にお礼を言うとカウンターに向かった。 

受付には担当のお姉さんがいたのだがこの方もきれいな黄緑の髪に角が生えている。

もう一度言おう、角が生えている!

だんだん自分が異世界に来てしまったという実感が湧いてきた。


「すみません、住民登録をお願いします。」


「かしこまりました。こちらの書類に記入をしてください。」


 

 書類に記入をすると書類が輝いて一枚のカードになった。異世界ってすごい。


「このカードはこの街での身分証明書になるので常に携帯していてくださいね。

これからの生活のことはこちらの冊子にまとめてあります。今日から2週間ほどはこちらで過ごしていただくことができますが、その間に仕事や住居を探してください。」


 なんですと!? に、2週間…

その間に仕事と家を見つけるって

厳しすぎない?!


「その期間は延長できませんか?」


「サクラ様が未成年であれば、成人までギルド所属という扱いになったのですが…」


 なんてこった…サバを読んでおけばよかった終わったことは仕方がない。その後もこの街のことについて質問し、これからの身の振り方を考えることにした。


 受付のお姉さんに聞いたところ、この街は商業ギルドの力が強く他の国では商業に関する取りまとめだけをしているが、この街は商業ギルドが街の政治を行っているらしい。

街の中心にギルトの本部があるためそこで就職先も探せるそうだ。


(ひとまず今日は色々ありすぎて疲れたから休んで明日頑張ろう。)

そうして私はギルドから借りた部屋に向かった。


 部屋に着いて私は貰った冊子を取り出した。

そこにはこの街にある職業一覧やルールなどが載っていた。


(ふぅ~ん、私の唯一役立ちそうなお菓子作りができそうなのはあるかな…

明日は飲食系の求人を当たってみるか…

あなたのスキルを活かした就職をってこの世界スキルがあるんだ!

ギルト本部で鑑定できるみたいだし明日いかない…と…)


そんなことを考えているうちに眠ってしまった。



◆◆◆


カラ〜ンカラ〜ンカラ〜ン!

次の朝私は大きな鐘の音で目覚めた。


「うう〜っ、もうちょっと寝かせて〜。

というか朝早くない?」


 私はしぶしぶ起きるとささっと身なりを整えてギルドの方に頂いた朝食をほうばり、本部に向かうことにした。


 外に出ると昨日も思ったとおり町並みがパステルカラーで彩られていてとても綺麗だ。

そんな中に雑貨屋や服飾店などがある。


(雑貨屋さん何売ってるのかな…あの看板は、魔導具店?!行ってみたい、けどお金もなにもない…)


 そんなことを考えているうちにギルド本部が見えてきた。


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