そうだね

磯田有季

実験的なあれ

性春と題された短歌の連作は高校2年生が作ったものであった、あたしはそれを見てすっかり冷めてしまった、なんて気持ちの悪いものなんだろう. 中身を覗いたが、佳作にしては、出来が悪いなと思った.

あたしには、子どもが(子どもが)大人ぶって性を語ることが綺麗だとは到底思えないのです. お前が、短歌を、やるな、と、叫びそうに、なつたものです. 短歌というものはべつに、とっても高尚なものではないとは、思う、それに、べつに、あたしの管轄ではない. ただ、愛するあの人の庭に、「性春」の足が入ろうものなら、あたしはやはりムカついて(イラついて)しまうのです.




ああ. しかし観覧車は回る. 今まで、何度、回ってきたのだろうか. それはそれは、長い長い地獄に、ゴンドラそのものは閉じ込められていることだろう. そうしてゴンドラはあたしたちを閉じ込める まわる.

いつかお前たち(みなとみらいの全て)がさびて、誰にも見向きもされなくなる頃、やっとお前たち(みなとみらいの全て)は解放されるのだろう. 平和の方に.しかしこれも、人類の滅亡がみなとみらいの滅亡より遅いことを仮定している. 脆弱な理論かもね.

私は動く歩道を乗り終えて、逆側の動く歩道に乗り移って、駅まで戻ることとした. 耳を澄ますと、動く歩道が動いている音がきこえる. 動く歩道にも、整ったリズムで鼓動を刻む、薄く延ばされた心臓はあるようだ.




さて、あたしの愛するあの人は、私の知らぬところで、夢追い人でいることをやめてしまったらしい。もう、あたしが好きだったあなたではないし、あたしが嫌いになりかけたあなたでもないのね!ちいさなピリオドはちゅうくらいの句点に吸収されてゆく……ただ自分にお説教をするだけ、もう文を、分かりやすく区切る必要などないはずだった。あたしは、あたしの書いたものだけを食べて、汚染された循環の中に生きているのだから。でも少し、あなたに未練があったらしい。まだあたしは、あなたの愛した庭を守り続けているのよ!しかし絶対に戻ってこないでね。あたしのこころは、どこかにせっせとその実存を書き付けられていないと、その形を留めない、情けない流体なのです




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そうだね 磯田有季 @tyoutyouhujin

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