ぱわあこあら

めろ

ぱわあこあら

 さむいふゆ、だけど、こあらのもりの こあらたちは、いつもあったか。

こあらは みんなで くっついて きのうえで すごしているからです。

 みんな ふわふわの けの うでに だきしめられて ぬくぬく。

みんな きもちよさそうに ねむっています。

 だけど、 いっぴきのこあらが、きの うえから じめんに おいだされました。


 「ぴぎー」

と なきごえが きこえました。

 ないている こあらの なまえは ぱわあこあら。

 ぱわあこあら というなまえを だれがつけたのか わかりませんが、 みんな この こあらのことを ぱわあこあら とよんでいました。

 「ぴぎー、ぴぎー」

 ぱわあこあらは ずっと ないていました。


そこに、 もんすたーがりに もりに きていた はんたーの ひぃ が とおりかかりました。

ひぃは ないている こあらに こえを かけました。

「どこか いたいの?」


ぱわあこあらは くびを よこにふりながら こたえました。

「わたし ちからが つよくて。 だきしめると みんなに いたい っていやがられるの。 それで きから おいだされたの」


ひぃは なかまはずれにされた ぱわあこあらを かわいそうに おもって いいました。

「じゃあ、 ぼくの いえに おいでよ」


ぱわあこあらは ふわふわのうでを ひぃの からだに くっつけて だきつきました。

「ありがとう!」


すると、ぱわこあらのうでから はあとが とびだしました。

「わっ わっ」

ひぃの めから ほしが でました。こんな あたたかい きもちに なったのは はじめてでした。


ひぃと ぱわあこあらは すぐに なかよく なりました。

ぱわあこあらは いつも ひぃの からだに よじのぼって だきつきました。


ひぃと まちにでかけると、ぱわあこあらは たちまち みんなの にんきものに なりました。

「かわいい。 わたしにも だっこさせて!」

 ぱわあこあらが ひとに だきつくと はあとが とびでました。

みんな しあわせな きもちに なりました。


ぱわあこあらの ちからは こあらには つよすぎるけど、 ひとには はあとに なってあらわれる ようです。


そして はるになると、 ぱわあこあらと ひぃは けっこんしました。

ひぃと ぱわあこあらの いえには はあとが たくさん あふれていました。


おわり

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ぱわあこあら めろ @ja_kyoro

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