第2話 人間的に濃い人間と運命的に濃い人間

○ 天皇からもらった「太閤(摂政または太政大臣の敬称)」なんていう、犬も食わないような勲章・肩書きで燥(はしゃい)でいた豊臣秀吉(1537~1598)。


○ 天皇なんか要らんと戦った織田信長(1534~1582)や源頼朝(1147~1199)・平将門、そして徳川家康。


○ 人間(天皇)や肩書きばかり見ていた乃木希典(1849~1912)。

○ 人間ではなく運命と戦った東郷平八郎(1847~1934)。


○ 朝鮮(半島)なんぞ、ロシアにくれてやれ」と、日露戦争を白人たちの代理戦争として警戒していた伊藤博文。


○ 大久保利通 、西郷隆盛、「蹇蹇録」の陸奥宗光、坂本龍馬も、人間よりも運命(天命)を見て生きた。


○ 織田信長は「「人間五十年、下天の内をくらぶれば、夢幻の如くなり」敦盛 

→ 「人の世の50年の歳月は、下天の一日にしかあたらない」という信念であった。

  天界での時間に比べれば、人間(じんかん・人の世)の50年や100年なんていうものは鼻くそのようなもの、ということなのでしょう。


  ********************************

  人間味があるとかないという意味での人間性ではなく、神の目線で見た人間性が濃い人間。

********************************


○ 「西遊記」(明代(1368~1644)の長編小説。呉承恩作。)小野忍訳 岩波文庫

  第9回 「袁守誠 妙(たく)みに算(うらな)って私曲(わたくし)無く    老龍王 計(はかりごと)拙(つたな)くして天の条(おきて)に犯(そむ)く」


  ここに登場する二人の賢者、漁師の張梢(ちょうしょう)と、きこりの李定(りてい)。

  彼らの会話からは、(神の目線で見た)中国人の人間性、その濃さが伝わってきます。


  それに比べれば、人民網日本語版に見る現代の(共産主義)中国人というのは、全く以て人間的です。そのあまりにも人間的な人間性ゆえに、スマート技術でもAIでも、現実の生活に対応した応用技術をどんどん開発してしまう。神の目線などすっ飛ばしてしまうから、開発スピードが速いのでしょう。


   彼らの考古学というものも人間目線のそれであり、十万年前の原始日本人の遺跡(岩宿遺跡)の手がかりとなる石器を発見した相沢忠洋氏と彼のアプローチとは、まるで異なるのです。


 (・・・ 終戦後、好きな考古研究をやりたいが為に早朝の納豆売り(朝5時から自転車で行商)をし、発掘した石器の説明のために、群馬県の桐生と東京(明治大学考古学研究室)120㌔を日帰りで何回も自転車で往復(片道9時間)した相沢忠洋氏は、昭和24年、ついに十万年前の原始日本人の遺跡(岩宿遺跡)の手がかりとなる石器を発見した。) 「思い出は一瞬のうちに」平栗雅人 から


 この意味で、毛沢東も周恩来も、共産党中国におけ「人間的な神」であり、周恩来はそのことをよくわかっていたために、自分の遺骨を散骨させたのでしょう。「100年たてば、自分に対する評価も変わるかもしれない、そして、秦檜のように自分の墓につばを吐きかけられるかもしれない」と。


  ついでにいえば、創価学会の池田大作も「人間的な神」の一人です。

  ですから彼は、何百という世界各国の大学からもらった学位や名誉博士号で着飾っていましたが、その意味では豊臣秀吉タイプの人間でした。





  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る