第6話 『4-1』
『4-1』
「あなたはトレイルですね。風の陣パーティーのバーニングから猫人族のローズを引き受ける。金額は100万バル。支払いを怠ったら、金利が上乗せされる。よろしいですか?」
「はい。その契約で受けます」
「とても高額です……本当に契約しますか……無理な契約は……」
受付嬢は疑問に思っていた。
他人から見ても不自然な金額だったからだ。
「サインをお願いします」
書類にサインをした。
支払える宛はないのに。
俺は大丈夫か……。
「トレイル、期日までに支払うのだぞ、逃げるなよ、あははははは」
「あはははは!」
ギルドで受付をしたから、もう後には引けない。
バーニングはギルドから出ていった。
残ったのは俺とローズに。
「キミはローズていうのだろ」
「はいローズです。助けてもらいありがとうございます」
「怪我をしている。回復したい」
「回復出来るの?」
「今するよ。魔王竜ヒール!」
ギルド内ではあるが、ヒールをした。
ローズの体にヒールが施される。
「ああっ、体力が回復したみたい!」
「良かったな!」
笑顔に戻った。
体力と怪我は回復していた。
俺も嬉しくなったところに、またもステータス変化が。
名前 ローズ
種族 猫人族
性別 女
年齢 15
レベル 15
体力 50
魔力 10
防御力 20
素早さ 30
スキル
獣の爪、
魔法
ローズの体力を49回復しました。
経験値を49獲得しました。
レベルが6に上がりました。
鑑定スキルを獲得しました。
またもヒールの効果で、嬉しいことに鑑定スキルを獲得した。
ローズの体力を回復した分、経験値が上がりレベルが上がった!
戦ってもいないのにレベルが上がるのは驚きしかない。
これなら戦えば戦うほどに、どんどんとレベルアップが期待できるからだ。
弱小の下級回復職の俺もいきなりレベル6にまでなった。
「完全に体力は戻ったわ!」
「俺は回復職種のトレイルだ。よろしく」
「はい」
「俺と一緒に冒険をしないか?」
ローズに冒険のクエストを一緒に出来るかを誘ってみる。
「私がですか? トレイルがしたいなら私は構いませんけど。ちなみに攻撃は爪で行います」
「俺は支援がメインになるから、攻撃をしてくれるなら歓迎だ。話は早い、さっそく受付嬢にクエストをお願いしよう」
「します!」
ローズは15才で、レベルは15あった。
俺が18なので、少し年下だ。
クエストは掲示板から探した。
クエストランクはFを選ぶ。
「クエストランクがFでヨロシクですか。トレイルとローズの二人で」
「はい、お願い」
「トレイルがランクF。ローズは未登録ですので、新たに登録しました。ランクEです」
「はい」
ローズはギルドで未登録らしかった。
俺のFよりも上のランクのEとされた。
傷ついた体を回復した俺に信頼をおいているらしく、決して断る感じじゃないのは良かった。
受付嬢からはランクFのクエストならば問題ないと言った。
しかも大量に出現する魔物の討伐であり、経験値を積めるいい相手になれば良いが。
ギルドでは、無理なクエストは受付を拒否する。
なぜなら、自分のランクよりも上のランクのクエストを受ければ報酬は高くなる。
効率良く報酬を得るなら高いランクが望ましい。
しかしその選択がミスになり、命を落とす冒険者も多いのもあった。
ギルドとしては、細心の注意を払って冒険者のクエストを受け付ける。
冒険者の犠牲はギルドの責任にも繋がるからだ。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます