第60話 考え直しては?
「――ちょーい!」
私の手を握るレオを手刀で切り離すミアだった。
「……なにをするのです?」
「こちらのセリフですわ! わたくしのお姉様になんということを!」
キシャー! とレオを威嚇するミアだった。いやあなた公爵令嬢なんだから……公爵令嬢としての言動を心掛けてね……?
これは一度公爵令嬢としての心構えを教育しなければ。丁度いいことにシャペロンなのだし。そんなことを考えていると、仕切り直しとばかりにレオが咳払いをした。
「義姉上。アイルセル公爵家に宿泊するというのなら、明日の朝に迎えの馬車を送りますので――」
「あら、その必要はありませんわ!」
なぜか腕組みをしてドヤ顔をするミア。あなたは公爵令嬢としての以下同文。
「……なぜです?」
「お姉様は! わたくしのシャペロンを努めていただくことになっておりますので! 迎えの馬車はお呼びじゃねーですわ!」
いや「お呼びじゃねー」って。どこでそんな言葉遣いを覚えてくるのか……。
「……なんと、このような暴れ馬のシャペロンを……お
いや暴れ馬って。ちょっと反論できないけど。
「義姉上。今ならまだ遅くはないですからご再考なさっては?」
「う~ん……」
それもそうかも、と思ってしまう私だった。
そうはさせじとミアが私の腕を組み、引っ張る。
「お姉様は! わたくしのシャペロンとしてずっとアイルセル公爵家で暮らすのですの!」
え~? ずっとなんですか……? ミアとミッツ様のダブルパンチは精神的に疲れそうな……。
「何をバカな。シャペロンはそんなずっと雇うような存在ではありません。せいぜいデビュタントが終わるまででしょう」
レオが真っ当な反論をして。
「ふっ! それまでにお兄様が
問題しかない発言をするミアだった。
≪落とせばと言いますが≫
≪落とせるんですかね? この鈍感のくせにチョロい女を≫
フレイルは少し口が悪すぎじゃありません?
「……厳しい戦いですわね!」
一時期アズと契約したおかげか。魔導具二人の声が聞こえているっぽいミアだった。
鈍感&チョロいを否定してはくれませんかね妹分?
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