第14話「今日はこれくらいで」


 こんな時間にいきなりどうしたんだろう。俺がチャットを確認してみると……


「通話しない?」


 修学旅行で通話!?そんな通話なんてしてたら俺は幹也にバレるし彩華だって部屋の人にバレるのに通話するか?そう考えていると渚さんがチャットで「あり」と送られてきた。え?その時俺の頭が真っ白になった。


(幹也)「おお〜、修見たか?」

(修)「何を?」

(幹也)「神田さんと二葉さんが通話しようだってよ」


 100%俺が悪いけどちょっと期待してしまった自分がいる。


 それから俺たちは通話をはじめた。奈津美は部屋が違うらしいがもう少ししたら渚さんたちの部屋に行くらしい。それまでは4人での通話だ。


(修)「通話って言っても何するの?」

(渚)「これと決まってないけど、彩華がどうしても話したいって言うから」

(彩華)「ちょっと、渚何言うの!?」


 幹也が俺にしか聞こえないくらい小さな声で話してきた。


(幹也)「本当に俺ここにいていいの?」

(修)「いいだろ、同じ班だし」

(幹也)「そもそも俺が入っていいような班じゃなかったんだよ」


 うわっ、めんどくせー。男の面倒くさいは本当に需要ない。


 奈津美が通話に入ってきた。


(奈津美)「先生にバレないようにこっちの部屋来るのに結構苦労したよ」

(彩華)「よく来れたよね」

(渚)「正直本当に来れると思わなかったよ」


 俺は幹也にしか聞こえない声で話した。


(修)「えーっと、俺もいらないかも」

(幹也)「な、俺たちいらないな。まぁ、でも女子の会話を聞けるだけラッキーかもな」

(修)「そうだな。でもさ俺そろそろ眠くなってきたんだけど」

(幹也)「おいおい、せっかくの女子との通話なのに寝るのか?」


 俺たちが2人でこそこそ話していると渚さんたちが俺たちに話しかけていた。それに気づくのが遅かったようだ。


(修)「あ、ごめんごめんどうしたの?」

(奈津美)「男子2人でこそこそ話してるから何話してるのか気になって」

 (渚)「私も気になる」

(彩華)「私も」

(幹也)「いや、ただ今日1日疲れたなって話してたの」

(彩華)「え、じゃあもしかして通話無理させちゃった?」

(修)「いや、全然大丈夫だよ」


 そんな感じで特にかわったことはせず普通に話していた。すると


(彩華)「渚寝ちゃった」

(幹也)「こっちも修がもう限界そうだ」


 それから俺は目を閉じた。こんな時間に寝たのだから俺は朝まで目を覚ますことはなかった。


(彩華)「私も眠いし寝るわ」


 (幹也)そう言って神田さんも寝た。俺と奈津美の2人になった。

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