好きな女が語っていた理想の男になろうと努力したが結局、俺は俺でしかなかった件

こた神さま

第一章 好きな女が出来たんだが理想が高過ぎて悩んで夜も眠れないんだが




俺の名前は、矢崎 誠。


何処にでもいる普通の高校生。


そう……余りにも普通過ぎて、17年間、全くモテた事がない。


モテた事がないので、彼女もいないわけで。


そろそろ彼女が欲しいと思うがなかなか、簡単に出来るものでもなく。


恋人同士、手を繋いで、仲良くしている友達を見て、少し羨ましいなと感じるわけで。


好きな女はいる。


その女は、高嶋 舞という。


舞とは、同じ中学だった。


俺は、初めて舞と出会ってから、舞の事が好きになった。


そう……一目惚れである。


「好きだ」と一言、言えたなら、どんなに楽だろう。


だが、俺には、そんな勇気すらない。


もし告白して、「あんたなんか、興味無い」など言われたら、俺は、きっと生きてはいけない。


高校になったら告白しよう。


そう思い、俺は、今日まで生きてきた。


そう、そうなのだ。


舞と同じ高校に行く為、俺は努力したんだ。


担任は、「お前には、高嶋が行く高校は無理だ。ワンランク下げろ」と言われたが俺は、諦めなかった。


毎日、毎日、努力した。


友達からの遊びの誘いも断り、朝から晩まで、勉強勉強で頑張ってきたんだ。


そして、周りが無理だと言っていた高校に合格出来た。


合格発表の日、偶然会った舞に「矢崎くん、凄いじゃない!これからも、一緒に高校生活、楽しみましょうね」と言われて、俺は、『ああ……もう、このまま死んでもいい』と思ったんだ。


いや……死なんけど。


そうだ!これからは、楽しまないと。


そして、俺は、必ず舞に、「好きだ」と伝える。


その為に、必死に頑張ってきたのだから。

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