第28話 昇化しました(3回目)。

 取り敢えず毒は強くなったし、昇化はします。


 アンナさん以外を魅了する気はないから、別に魔毒蝶の四齢幼虫でも良いんだけど。


【現時点での手数を増やすなら、魅毒蝶をおすすめします】


 うーん、魔毒蝶からの昇化先の候補で、魅毒蝶になると消えるやつ、ってある?


【検索中──、結果を表示します。魅毒蝶を選択した場合、攻撃能力に特化した種族への昇化が難しくなります。また魅毒蝶に昇化した時点で身体強化系統の能力、及び攻撃系統の魔法の獲得に消費する生命核が増え、それらの系統の威力も成長率も下がります】


 もしかして不殺傷の呪いを受けているボクが魔毒蝶を選ぶメリット、って。


【解呪不可能な現時点ではないかと】


 うぁー……、じゃあ、魔毒蝶から派生しない、魅毒蝶の昇化先候補ってどんな感じ?


【検索中──、結果を表示します。認識干渉系統の能力、及び魔法の強化及び獲得に消費する生命核が大幅に減少し、また成長率がかなり上がります】


 かなり、ってついたけど、やっぱり特化型?


【仰る通りです】


 防御方面は?


【検索中──、結果を表示します。魔毒蝶と同程度の生命核を消費すれば問題なく覚えられ、使用による成長率に影響はありません】


 解呪の目処も立っていないし仕方ない、魅毒蝶でお願いします。


【不本意なら、魔毒蝶をお選びになっても必ずお守りしますが】


 ここで魔毒蝶を選択して将来的な成長性がなくなったらお終いだよ、ボクは何が何でも生き残ってアンナさんと添い遂げる!


【天羽様……! 畏まりました、魅毒蝶(幼体(四齢幼虫))への昇化を開始します】


 また急に皮が窮屈になって、そこから這い出す。のそり、のそり、と普段より更に遅い歩みを進める度に魔力の巡り方が変わる。量も増えてはいるんだけど、今までより魔力の通り道が緻密になって細部まで行き届いた感じがする。そこを流れている魔力も変化していて、何というか繊細な感じだ。身体の方も繊細に、とはならなかったし少し大きくなったけど、明らかに色が違う。


 ねぇボクの体色、さっきまで黒っぽかったのに白っぽくなってない? もしかして凄く目立つ?


【鑑定中──、結果を表示します。この白銀色は陽光の当たり具合により水滴に擬態しているようです。乾燥地帯ではないので、少なくとも効果はあるかと】


 効果は少ないのか。水と勘違いして寄って来るやつもいそうだし、常に結界を万全にしておいた方が良いね。


 他の状態も確認したいから、いつものお願いします。


【鑑定結果を表示します】



甘城 天羽 (アモウ・アマギ)

 種族:転生者 (形態:魅毒蝶(幼体))

 年齢:0歳 (享年:27歳)

 性別:男

 職業:使役士

 備考:

  転生得点 (伍点獲得)

   ・全言語通訳

   ・亜時空間庫

   ・無制限鑑定

   ・能力値改編

   ・魔法

  状態異常:呪 (参点与罰)

   ・不殺傷

   ・人転虫身

   ・男転女身



【使用可能な魔法を表示します】



 使役:★★★★☆

  対象の生物を使役下におきます

 召喚:★★★☆☆

  使役下の生物を召喚します 

 回復:★☆☆☆☆

  怪我の回復を行います

 治癒:★★☆☆☆

  病気の治癒を行います

 魅了:★★★★★★★☆☆☆

  対象を魅了します

 結界:★★☆☆☆

  結界を張って内側を守ります



【使用可能な能力を表示します】



 苦味耐性:★★★☆☆

  苦味が苦痛ではなくなります

 毒耐性 :★☆☆☆☆

  毒が効きづらくなります

 魔力吸収:★★☆☆☆

  倒した敵性生物が魔力を持っていた場合に、その内の4割を吸収します

 毒吸収 :★☆☆☆☆

  倒した敵性生物が毒を持っていた場合に、その内の2割を吸収します



 何か要らん魔改造されてる!!?? 何で魅了が伸びた!!!???


【鑑定、及び検索中──、結果を表示します。魅毒蝶の特性により、魅了魔法の限界値が延長しました】


 もう今日は魅了についてツッコミ疲れたから寝るね、おやすみ!

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