第20話 探しました。

 この調子で同じ種類の草をもう一株、といきたいところだけど、この草もそんなに数が多いとは思えない。


【探索中──、結果を表示します。即時絶滅の可能性には至りませんが、現在地付近に限れば数は激減します】


 生物多様性の為にはここにもある程度は自生してて欲しいよね、というわけで魔力の暴飲は止める方向で。


 でもそうなると魔力の補填はどうしよう。


 今は一株まるまる吸ったから余裕があるけど、アリじゃ魔力も毒もないから倒し続けても収益はそんなにない。つまり補填の宛てには出来ない。


【提案します──、動物型の魔物を狩るのは如何でしょう?】


 そうしたいんだけど、ボクじゃなくてアンナさんが倒した場合に魔力や毒の吸収率はどうなるのかな、って。


【検索中──、結果を表示します。現在の能力値では天羽様自身が倒された場合には各々2割、私が倒した場合には天羽様へ各々1割が吸収されます】


 半減した1割ってアンナさんが貰えるの?


【検索中──、結果を表示します。私は吸収系統の能力を取得しておりませんので、ただ消えます】


 勿 体 な い !! ので、却下。でも、なぁ、ボクには攻撃手段がない……。


 うーん、──……、動物型の魔物って、この草みたいに魔力を吸い尽したら倒せる?


【検索中──、結果を表示します。凡その魔物は倒せますが、稀に体力と魔力に互換性があるものがいますので、その点をご留意ください】


 仕方ない、毒は終齢幼虫期のボクに期待して先ずは魔力を優先しよう。


 アンナさん、近くに魔物っている?


【探索中──、結果を表示します。地球産カマキリに似た魔物がこちらへ接近中です】


 え? 何で探す前からこっち来てるの????


【推察するに、魔魅夢酩妄毒草が突如として枯れたので何かしらはいるだろうけれども、大した存在の気配は感じないので取り敢えず食べられるものなら狩ろう、という魂胆かと】


 ボクってそんなに弱い? 気配も感じられないレベル??


【今は魔微毒蝶の三齢幼虫ですので……】


 所詮は不味いだけでほぼ無害な幼虫ってことですね、終齢幼虫になったら覚えてろよ!


【その頃には私が排除していますが】


 いや、動けないだけの状態に出来るならそうして。ボクが魔力を吸い尽して倒すから。


【畏まりました。しかし良案がなく……】


 少しなら時間は稼げると思うけど、間に合わなさそうだったらアンナさんが殺っちゃって。


 そんな会話をしている内に、ボクの視界にカマキリらしき魔物が姿を現した。










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ご無沙汰しております。

今暫くは更新頻度が下がり、あるいは不安定になるかもしれませんが、更新の再開を致します。

お楽しみいただければありがたく存じます。

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