第9話 昇化しました。
さて葉っぱも萎れきったことだし、キリが良いのでここで昇化とやらをします。昇化先は魔蝶の幼体で。
【魔蝶(幼体(二齢幼虫))への昇化を開始します】
脱皮の形になるらしい。今までの古い皮が窮屈になって、頭の方に亀裂が入る。ずるり、ずるりと今の身体から剥がしながら、ゆっくりと古い皮から這い出る。急ぐとまだ柔らかい新しい皮に傷がつくから焦らないで、丁寧に前進する。元の歩みも遅いのに慎重になるから更に遅い。結構な時間がかかってしまったけれど、今までのボクとは何か違う感じがする。体色は変わらないけど、一回り大きくなったのは勿論、身体の中の魔力の巡り方が違う。血管が太くなって、より多くの血液が、より早く流れているような感じかな、血液じゃなくて魔力だけど。
【鑑定結果を表示します】
甘城 天羽 (アモウ・アマギ)
種族:転生者 (形態:魔蝶(幼体))
年齢:0歳 (享年:27歳)
性別:男
職業:使役士
備考:
転生得点 (伍点獲得)
・全言語通訳
・亜時空間庫
・無制限鑑定
・能力値改編
・魔法
状態異常:呪 (参点与罰)
・不殺傷
・人転虫身
・男転女身
【使用可能な魔法を表示します】
使役:★★★★☆
対象の生物を使役下におきます
召喚:★★★☆☆
使役下の生物を召喚します
回復:★☆☆☆☆
怪我の回復を行います
治癒:★☆☆☆☆
病気の治癒を行います
魅了:★★★★★☆☆
対象を魅了します
うーん、ステータス一覧らしきものがないからよく分からないけど、魔法の技量の一部が伸びている。でも何で使役と魅了? 使ってないよね?
【常時使用中ですが?】
うん?
【私に対して】
ちょっと待って、使役はこうやってお喋りしているだけで伸びるの!? それでボク、アンナさんに魅了の重ねがけしまくっているってこと!? 絶対に逃がさない系のクズじゃん!?
【……そういえば魔力の消費がされていませんね?】
どういうこと??
【会話と使役については天羽様の推察の通りだと仮定しまして、私が勝手に天羽様を可愛いとか可愛いとか可愛いとか思っている事実が魅了されているという判断をされたものと推測します】
世界の真理ってバカなの???? あとイモムシをそんなに可愛いとか思う??????
【天羽様が可愛いのは真実ですし、世界には都合が良いのでそのままでいて貰いましょう】
今の会話はオフレコでお願いね。
それはそれとしてアンナさんの感性が本気で心配になってきたから、
【どんな天羽様も可愛いですよ】
これが魅了の効果だとしたら世界はボクを呪う前にやることがあると思う。
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