第8話:シュリエルの洋服。

家にいる時のシュリエルはマイクロビキニでいる。

本人はそのほうがいいらしい。

総一郎は何も言わない・・・むしろいい目の保養になるからだろう。

さすがに麻美子ちゃんは、あまりいい顔はしないけど無理強いするわけにも

いかないからか、絶対だめとは言わない。


外に出るための洋服がいるかと思ったけど、本人はこっちへ持ってきた

制服を着るから、急いては必要ない。

だけど、マイクロビキニだって替えがいるだろ?

要は下着はいるってことなんだ。


それでもシュリエルは多少はファッションに興味があるのか、洋服は見に

行ってみたいって言うから僕は学校が休みの日、シュリエルを連れて街に出た。


おばちゃんじゃないんだしスーパーの婦人服売り場じゃだめだよな。

ここはファッションブランドの店じゃないと・・・。

そう思って僕は一軒のオシャレなショップにシュリエルを連れて入った。


あれ?シュリエル?って思うようなギャルのお姉さんが笑顔で


「いらっさいまっせ〜」


って変な口調で対応してくれた。


僕は嫌な予感がした。

シュリエルが洋服が見たいって言うから連れてきたんだけど、なんとなく

本格的な買い物になりそうな気がした。

案の定だった、シュリエルはお姉さんが、あれやこれやと出して来た洋服を

手当たり次第に試着した。

え〜そこまでかき回して失礼いたしました〜って帰れないムード。


しかたないから、試着した中からシュリエルが気に入った洋服を2着だけ買った。

当然、金額は見たくないくらい高いわけで、僕はそんなお金なんか持ってない

からシュリエルの洋服代は総一郎の懐からかっぱらった。


見るだけのはずが、来てみたら買ってたってのはよくある話。

でも可愛い洋服でシュリエルの可愛さが増すからいいんじゃないかな。

着せ替え人形じゃないけど、やっぱり様変わりしないと。


それに生活状況も変わってくる。

僕もいつまでもリビングのソファで寝てるわけにもいかないからって

言うんで、結局シュリエルと一緒に僕の部屋で寝ることになった。


エッチいことはしないようにって条件で麻美子ちゃんは不承不承認めた。

しないようにたって、僕はするつもりないけど、シュリエルはほらサキュパス

だし・・・エッチしたがるし・・・。


「無理無理・・・あのさ、君を好きになればなるほど、できないの」


「なんでよ・・・好き同士、愛し合ってる同士なのになんでエッチしないの?」


「愛してるからできないって、この男の心理、分かんないのシュリエルには」

「そんなにエッチ、エッチって言うけどシュリエルはエッチしたことあるの?」


「ない!!」


「ないくせに?・・・普通は女の子なんだから、そんなこと言わないの」

「こっちへ来る前からずっと言ってるよ、エッチしようって」

「基本的に人間ともエッチしたことないから興味持つでしょ?」


「それにしたってさ・・・」


「・・・ちょっと待って、私が誰にでも言ってるって思ってる?」


「そうじゃないの?・・・基本サキュパスってエロいんでしょ?」


「そんなことないよ、そりゃエロいけど・・・でも好きな人にしか言わないよ」


「あ〜そうなんだ・・・男見たら誰彼なしに言ってるのかと・・・ごめんね・・・

誤解してたのかな?」

「私、淫乱女とか娼婦じゃないんだからね」

「シューちゃんにしか言ったことないよ」


「ごめん、ごめん・・・だいたい雑誌とか資料に載ってるサキュパスの

イメージがよくないんだよ」


「好きでもない人には興味ないけど、好きな人には積極的なの」

「で?なんでエッチしないの?私と」


「君を汚したくないから・・・理由はそれだけ」


「僕だって男だから君が欲しいって気持ちはあるけど・・・君を綺麗なまま

眺めてたいって気持ちもあるからね、だからエッチはしないの」


「ふ〜ん、そんなもんなの?・・・つまんないの」


「でも、いつまでも綺麗なままなんてないよ」

「誰か他の人に持ってかれないうちに、奪っちゃったほうがいいと思うけど・・・」


「え?誰かのところに言っちゃうつもり?」


「そう言う可能性だってあるかも〜って話」


「じゃ〜考えを改めようかな?」


「だけどさ、麻美子ちゃんからエッチいことはしないって条件でシュリエルと

一緒に寝てるんだから、やっぱりダメでしょ?」


「麻美子ちゃんも夜は総一郎とエッチなことしてるよ」


「なんてこと言うの、君は」


「総一郎と麻美子ちゃんラブラブだもんね、絶対今夜もやるよエッチ」


「見に行っちゃう、シュー」


「わ〜それは見たくないし、想像もしたくないわ・・・」


つづく。


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