第6話:ハグしてそしてチューして。

次の朝、僕は当然学校へ行かなきゃいけないわけで、シュリエルのことが

気がかりだったけど学校を休む訳にも行かなかった。


昨夜、寝る前に僕のパジャマをシュリエルに着せた。

男物のパジャマなんか着せると、ぶかぶか加減がめっちゃ可愛すぎるって

って僕は思った。

マイクロビキニを脱いでパジャマを着てるから、ちょっとヤバいかも。

パジャマのままじいけないと思ってトレーナーとジーンズを出してやったら

人前でも関係なくパジャマを脱ごうとするからびっくりだわ。


僕のトレーナーとジーンズを着ると髪が紫色なのと、ちっちゃいツノ以外は

人間の女の子と変わらなくなった。


僕はシュリエルより背も高いに体格も大きいから僕の服をシュリエルが着ると

少しブカい、それが逆に彼女を可愛くしていた。


僕が学校へ行くって知ったシュリエルは、イヤだって駄々をこねた。

僕の袖を引っ張ってイヤイヤした。

僕がいないと心細いって・・・。


「あのね、シュリエルも向こうで学校へ行ってたんだろ?」

「僕だって同じように学校に通ってるんだよ・・・そのへん分かるよね?」

「だから、袖離してくれる?」


「じゃ〜ハグして」


「え〜?・・・ハグって?・・・」


「ハグして」


「ん〜〜〜じゃ〜おいで」


僕はシュリエルをハグしてやったらほんの少し機嫌がよくなった。

ほんの少しね。


「じゃ〜行ってくるから」


「あん、待って?・・・いってらっさいのチュー」


そう言ってシュリエルは僕に迫ってきた。


「なに?なに?・・・チューって、待って、待ってチューも?」

「つうか総一郎と麻美子ちゃんに見られてるし・・・」


総一郎「父親」と麻美子ちゃんは、なにも見てませんよ〜的に別の方を向いた。

実は仕事から帰ってきた総一郎は昨夜のうちに麻美子ちゃんからことの詳細を

聞かされて、びっくりぽんだったらしい。


「見られててもいいの・・・愛し合ってるんだから・・・」


「愛し合ってるって?・・・誰がいつどこで、そんなことになったんだよ」


「私が一方的に決めたの・・・シューちゃんに選ぶ権利なし」


「あんたたち、チューするのなら早くしないと学校遅刻するわよ」


そう言われて僕は、しかたなく・・・でもなくシュリエルとチューして

ウハウハで学校に出かけようとしたらまたシュリエルに呼び止められた。


「ハグとチューしちゃったらエッチしたくなった・・・」


「が〜ま〜ん〜・・・」

「あのね、二人も見てるし、僕もそんなことしてたら学校遅刻するからね」

「いい子だから・・・」


「分かった・・・自分で処理する・・・」


「あのね」


「いいよ・・・ごめんね、私のせいでシューちゃんが困るのは私も困るし・・・

気にしないでいってらっさい・・・あ、も一回チューする?」


僕は学校へ行ってもシュリエルとの授業も身に入らず彼女の唇の感触を

思い出しては確かめていた。

女の子のクチビルって柔らかい・・・月曜日から金曜の朝はかならず

シュリエルのチューで見送ってもらえるんだ・・・そう思うと学校へ

通う楽しみが増えた。


さてしゅーが学校へ行っちゃうと、たちまちヒマになるシュリエル。

だから、はじめて会う父親、総一郎を珍しそうにジロジロ見ていた。


総一郎は女子高生くらいのギャルを目の前にして鼻の下を伸ばしていた。

意にそぐわない人を見るというより好奇心の眼差しだった。


いい歳をしても男は女子高生には弱いのだってことを物語っていた。

相手がエロっちい小悪魔であってもね。

ちょっとだけブカいトレーナーも総一郎の心をくすぐった。


つづく。

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