第4話:ハグにおまじないのキス。

シュリエルちゃんは、床に何か書き始めた。

見てると、まず最初に大きな円を描いて、その中に星の形を書いた。

で周りに、よく分かんない文字を書き始めた。

しばらく見てると・・・


「ほい、お待たせ・・・出来上がったよ・・・・」


「あ〜魔法陣か?」


「よく知ってるね」


「まあね、そう言う不思議な世界を扱った雑誌とか好きでよく見るからね」


「そ・・・じゃ〜シューちゃんから円の中心に入って」


そう言われたから僕は円の中央に入った。

僕のあとにシュリエルちゃんも入ってきて、円の中心にふたりおかしこまり

した形で向かい合わせに座った。


「はいっ、シューちゃん私とハグして・・・」


「ハ、ハグ?・・・え?なんで?」


「私とシューちゃんが離れちゃうと同じ場所に出れないかもしれないから」

「はい、抱っこして・・・はやく〜」


だから僕はシュリエルちゃんをハグした。


「わは〜柔らか〜・・・それにいい匂い・・・気持ちいい」

「体がトロケそう〜」


「向こうはついたら、もういいってくらいハグさせてあげるから・・・」

「いい?いくわよ」


そう言うとシュリエルちゃんは僕のクチビルにチュってキスした。


「で?、今のキスはなんのため?」


「幸運のおまじないだよ・・・無事に人間界に辿り着けますようにって」

「じゃ〜、しゅっぱつしんこ〜!!」


「エッチ〜シッテオンナボッキャニシンシッテ〜ハ〜ラボッテ〜ハ〜ラバリタヤ〜」


「なに?それ呪文?」


シュリエルちゃんがそう唱えると、僕はフッと気を失っていた。

で、目覚めたところが?・・・


「ここは?・・・」


周りをキョロキョロ見渡して気づいた。


「あ、図書室」


それは学校の図書室だった・・・図書室に戻ったんだ。

無事人間界に戻った?。

確認するまでもなくシュリエルちゃんは僕にしがみついたままだった。

心地よくていい匂いがする可愛いサキュバスのエロっちい体。


ハッとして僕はすぐに彼女から離れようとした。


「もうちょっと・・・」


シュリエルちゃんはまだ抱っこしてたいらしい。


「シュリエルちゃん・・・どうやら成功したみたいだね」

「人間界に帰って来れたみたいだ」


「おまじないのチューが効いたみたいね、シューちゃん」


「そうみたいだ・・・」


って喜んでたら図書室に数人の生徒がいて僕たちを変な目で見ていた。

抱き合ったままの僕たちを・・・。


「見られてるよ・・・シュリエルちゃん・・・マズくないか?」


「私は平気だよ、好き同士なんだもんハグするのなんて普通でしょ?」


「僕を無視してどんどん自分勝手に進めて行くんだね君って」

「僕たち、恋人同士になるの時間の問題って思うんだけど・・・」


「悪魔にとってはその人を好きなった時がすべてなの」


「はいはい・・・とにかくこのままじゃマズいから図書室を出よう」


シュリエルちゃんは目立ちすぎ・・・ほぼ裸みたいな格好だからね。

ブラもそうだけどパンツもヒモパンだからヒモをひっぱたらモロだからね。

黒い三角地帯丸見えになっちゃうし・・・あ、髪が紫だからあそこの毛も

紫なのかな?・・・見たことないから想像。

って僕は一瞬でそんなエッチいことを考えてしまった。


見てる生徒はみんなアホみたいに口をポカンと開けてシュリエルちゃんと

僕を見ていた。

抱き合ったままの男女、図書室にそぐわない裸に近い女・・・違和感ありあり。


とにかく僕は無事人間界に帰って来れてシュリエルちゃんは念願叶って

人間界へ来れたわけだ。

でも、これからなんだよ・・・人間じゃない子が僕の家にひとり増えるん

だからさ・・・。


つづく。

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