第3話 少し前の話

「おぉ、跡取り息子!今日も手伝いか!えらいな!」


えらい...か、最初は褒められるのが嬉しかった


手伝ってみたいと思った


でも元々、人見知りだったし


友達いないから家にいることが多かった


家にあるなら手伝えと


親から言われ、出来るようになるのは


楽しかった、お客さんも親も喜んでた


他の兄弟も手伝ってたし


負担もそこまで多くはなかった


それでも、友達と遊ぶ時間も取れないし


アニメやゲームのイベントにも行けない


普通に休みが欲しい


そんなことを思っている中


「え?カイがこの店継ぐんだろ?」


兄貴が、そんな事を言い出した


代々続いてる、店を自分が継ぐ?


最近は平日学校、土日は店


休みなど、なかった


これから先ずっと


仕事、仕事


好きなことも出来ず


嫌だった


何せ


給料がない


いくら働いても


0円


辛かった


早く辞めてやりたかった


でも、兄弟が1人また1人と


実家を出ていった


負担が増える


「俺までいなくなったら

どうするつもりなんだろう」


そう思いながら中学時代を過ごした


夢もあったし、やりたい事もあった


家を出たらやろう


やれるはず


そう思って、我慢をした


そして今回の事件が起きた

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