第5話 課題考査②

課題考査当日、今日の朝はとてもいい目覚めだった。いつもだったらあんまり行きたくもない学校が、テストの日なのにとても行きたい。

いつものように朝ごはんを済ませ、顔を洗い、歯を磨き、制服を着る。でも今日は制服をきっちり着て、歯も入念に磨いた。これも好きな人が出来てしまったからかな。少しでもいい人に見られたい、まずは友達だけでもなれるように、見た目にはこだわらないと。



そしていつもより30分早く家を出て、学校を目指す。足を運ばせる間も、僕は教科書を読み、復習しながら学校へ来た。二宮金次郎スタイルだ。たまにしている人を見てはなんでこんな張り切ってるんだろと思っていたが、僕にもその気持ちがよく分かった。


学校に着いた。家を早めに出たせいか、高校になって初めて1番に着くことが出来た。いっつも早く来てる人はこんな感じなんだと特別感を味わいながら職員室から鍵を取る。1年の時の担任の先生がおどろいたようにこっちを見る。恐らくいつもギリギリに来てるヤツがなんでこんな早くに来てるんだと思っているのだろう。そりゃあそうだろう、自分もこんな早くに来ることがあるなんて思っていなかったから。


クラスにまだ友達はいないので、朝礼が始まるまでワークの内容を理解し、難しいところの解き直しをした。課題テストは課題のワークから出るから、ある程度は完璧に出来たはず...!




そして始まる課題考査1時間目、教科は国語だ。教科書の難しい単語をなども書いて復習し、基礎は必ず取れるようにした。

チャイムが鳴り、テストを裏返す。どれもこれも解ける、いつものテストなら空欄5個なんて当たり前なのに、全部解ける...!


終わりのチャイムがなる頃には、僕の心は花が咲いているくらい豊かだった。



2時間目、数学。僕は数学が苦手な教科の一つだ。三角比なんていつ使うんだといつも思っている。でも今日は自信がある。テストを開ける。


...


...ん?なんだ、これ。見たことない問題ばっかり。僕は数学の先生が言っていたことを思い出す。


...


「あ、そうだ言い忘れていたが、春休み明けの課題考査はワークの類題か似たような違う問題を多く出すからなー」



...あああああああああああああ!

やってしまった。すっかり忘れてた。答えだけ覚えいる僕は半分くらいしか分からず、撃沈した。



気分を下げて迎えた3時間目、英語。

英語は元から少し得意なのもあったからか、スラスラ解けた。これはワークから全部だったからほとんど間違っていないはず...!




そしてテストが終わり、終礼をして家に帰ってきた。いつもテストが解けなくて気分だだ下がりで帰ってきているのに、今日はとても気分ルンルンだ。。



僕は気分が上がったまま、諸々のことを終わらせ、布団に入った。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る