第1章 あの人との出会い

第1章 第1話 新学年

僕はいたって普通の高校1年生、戸崎とざき あおだ。


今は春休み。今日が終われば明日から新学年だ。新学年...か。どんなクラスになるんだろう、そう思いながらゲームをしていると部屋にお母さんが入ってきた。



「勉強やるやるって言って、結局あんた友達と遊んだりゲームしてばっかじゃないの」



そういえばそうだったな、忘れてた。

僕は少し数学が苦手なだけで、他は可もなく不可もなくっていう感じだ。ただ単に口先だけでもと思って、勉強するって言ったけど、もっぱらそんなつもりはない。



「明日から頑張るからー」


「絶対やらないでしょそんなん言って。はあ、まあいいわ、昼ごはん出来たわよ。」


「はーい」



階段を降りて食堂に向かう。昼ごはんは僕の好きなカレーだ。

カレーを食べながら少し考え事をした。


(勉強できる人ってどうやって勉強してるんだろ、僕には無理だろうから気にしても無駄だろうけど。)


そんなことはすぐに忘れ、昼ごはんを食べて結局ゲームをしに部屋へ戻った。




時計を見ると気づけば夜の9時だった。ゲームに夢中になっていたせいで全く気づかなかった。お母さんも今日は夜ママ友と晩御飯を食べに行っているから、適当になにか食べといてって言ってたな。


とりあえず下に降りて、冷蔵庫を見る。そこにあるのはヨーグルトとケチャップやマヨネーズなどの調味料と卵だけ。すっからかんじゃん。

買いに行くのも調理するのもめんどくさかったので、結局僕はお風呂に入ることにした。



お風呂から出て、髪の毛を乾かし、明日の用意をする。明日いるのは筆記用具とファイルと雑巾と書類くらいかな。


(よし用意完了。明日から新しい学年だし、早く寝るか)


いつもは夜の11時まで起きている僕が、珍しく9時半には眠りについた。





...リリリリ...


ジリリリリ...


ジリリリリリリ!


「はわあぁ.。O」


眠くなりながらも体を起こしアラームを止め、下の階に降りた。


お母さんは僕の起きる時間に仕事の準備をしている。だから朝ごはんを一緒に食べることはない。



「朝ごはんこれ食べとけばいい?」


「うんそれでいいわよー」



今日の朝ごはんは目玉焼きトーストだ。いつもに比べたらなぜか力が入ってるな。僕は冷蔵庫からケチャップとマヨネーズを取り出しかけて食べる。おいしい。



着替えを済ませて家を出る。

さあ、今日から新しいクラス、新しい出会い。

今日から頑張るぞ!


僕は勢いよく家から足を踏み出した。

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