第46話 第一異世界のハーフマラソンレース (5)

【レーススタートライン】

【フェブルタウン、ルナ王国 】

【310年】

【06:30】



 5km地点に到達したので、少しペースを上げる。


【ペース:4:40】

【距離:5km】

【移動時間:26:00】

【心拍数:110 BPM】


 10km地点を過ぎると、フェーブルタウンを離れ、森エリアへ。そして給水所へ差し掛かった。


「水がある!」


 サポートチームのメンバーが叫んだ。


 サポートチームのメンバーは、赤十字のエンブレムが付いた魔法のランナーのユニフォームを着ている。


 テーブルに置いてあった紙コップを素早く手に取り、口をすぼめて水を飲む。


 カップを飲み干すと、地面に捨ててエネルギージェルを口に入れた。サポートチームのメンバーがゴミを回収してくれるだろう。


 15km地点に到達したとき、もう完走は無理だと思った。先行する魔法のランナーたちは、私よりずっと速いペースで走っている。


 彼らは本物のプロのランナーだと思う。残念ながら、私はまだプロのランナーではない。


 完走メダルを手に入れることが、今の私の新たな目標だ。


【ペース:5:10】

【距離:15km】

【移動時間:40:00】

【心拍数:140 BPM】



 18km地点に達すると、コースは森林地帯を抜け、草原の丘に差し掛かった。 また、別の給水所にも到着した。


 上り坂が私にとっての課題となった。 私の戦略は、足に負担をかけず、足の指に頼ることだ。 完全に足の裏全体を使ってしまうと、上り坂でより疲労してしまう。


【ペース:6:40】

【距離:18km】

【移動時間:58:00】

【心拍数:180 BPM】


 予想通り、丘陵地帯を走るとペースが落ち、心拍数が上がった。また、心拍数を維持するために呼吸をコントロールした。


 上り坂で足が震えてきたので、エネルギージェルをもう一つ食べる。 エネルギージェルのおかげで体の疲れが少し楽になった。


 20km地点に差し掛かると、コースは平坦になり、フェブルタウンに戻ってきた。 また、別の給水所で給水する。


 いつものペースに戻った。 上り坂のランニングで、移動時間が大幅に削られた。


【ペース:5:20】

【距離:20km】

【移動時間:1:30:00】

【心拍数:180 BPM】


 フェブルタウンに戻ると、ゴールラインを目指して全力で走った。その間、観客が声援を送ってくれた。


 また、レースコース全体にわたって、他の観客も見かけた。


【ペース:3:00】

【距離:20km】

【運動時間:1:40:00】

【心拍数:180 BPM】


 ゴールラインを通過した。通過後、サポートチームのメンバーが完走メダルを渡してくれた。


 そして、私は立ち止まって息を整えた。


「お~い!おめでとう、ミキチ!」


 レイラニと私のチームメイトたちが叫んだ。彼らは私のところへ歩き始めた。


 魔法のランナー旅団とのランニングの旅と、レイラニとの幼い頃の約束を果たす旅が始まった。


 ~第1章 完 ~

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