第44話 第一異世界のハーフマラソンレース (3)

【住宅街】

【魔法のランナー旅団本部】

【ファブルタウン、ルナ王国】

【310年】

【14:40】


 レイラニが昼食に呼びにきた。


「昼食の準備ができたわ! ダイニングテーブルに来てくれる?」


「わかった」


「私たちの昼食は散らかっていると思うわ」


「なるほど」


 私はソファから立ち上がり、キッチンに隣接するダイニングテーブルに近づいた。テーブルを見ると、大きなブリトーが2つと、チーズソースをかけたトルティーヤチップスが置いてあった。


 レイラニと私は椅子に座った。


「いただきます」


「いただきます」


 私は大きなブリトーを手に取り、一口食べた。その間、レイラニは私をじっと見つめ、私の感想を待っていた。


「おいしい!」


「気に入ってくれて嬉しいわ」


 レイラニは微笑んだ。


「どうやって料理を再現したの?」


「空き時間に、いろんな料理の練習や研究をたくさんしたんだ」


「なるほど。あなたは素晴らしい料理人ね!」


「ありがとう」


 レイラニは恥ずかしそうに顔を赤らめた。


「全部、一から作ったの?」


「ええ」


「だから、遅い昼食になったのね」


「ごめんなさい、昼食の準備が遅くなって」


「大丈夫よ、文句を言ってるんじゃないから」


 私はすかさず手を挙げて振った。


「いいわ」


 レイラニはほっとしたようにため息をついて微笑んだ。


 ブリトーを食べ終えると、ナチョチップスを食べ始めた。三角形のトルティーヤチップスを手に取り、チーズソースの入ったボウルに浸した。チーズが口の中でとろけた。


「おいしい!」


 レイラニは私を見て微笑んだ。


 昼食を食べ終えると、レイラニはテーブルと食器の後片付けを始めた。しかし、私も手伝うことにした。


「レイラニ、手伝うよ」


「いいのよ」


「いや、手伝うよ。君に全部やらせたくない」


「わかったわ」


 私たちは食器を手に取り、シンクに入れた。


 レイラニはダイニングテーブルを掃除した。私は食器を洗った。


 片付けが終わると、レイラニと私はソファに一緒に座った。


「片付けを手伝ってくれてありがとう」


「どういたしまして」


 レイラニはテーブルからタブレットを取り出し、画面を見せてくれた。


「これはレースのコースマップよ」


「なるほど」


「レースはフェブルタウンでスタートして、ゴールするの。森や丘も通るわよ」


「なるほど。上り坂のトレーニングをしないと」


「そうね」


「レースはいつ?」


「レースは1か月後よ」


「そうか」


「がんばってね、ミキチ」


「ありがとう」


 レイラニと私は一緒にテレビを見ることにした。



 ***


【ファブルタウン、ルナ王国 】

【310年】

【12:00】


 私は本部外を走っていた。


 1ヶ月間のトレーニングを終え、ステータスポイントが上がった。今日がトレーニング最終日だ。


【ランナーレベル:81】

【VO2MAXレベル:58】

【トレーニングステータス:生産的】

【持久力:78】

【スレッショルド:81】

【スピード:78】

【スプリント:80】


 トレーニングを終えると、レースまでの数日間の休息期間に入る。


 レイラニがヘッドセットを通じて私に話しかけてきた。


「ミキチ。ランチ食べない?」


「お願いします」


「あなたのアパートで会いましょう」


「了解」

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