第23話 笑いについて
どうもこんにちは、青王です!
今回は長くなるので早速、本題に参りましょう!
本日のお題は『笑いについて』です!
めちゃくちゃアバウトなタイトルですが、お許しを笑
さて、それではなぜ『笑いについて』書こうと思ったのか。
それは私の連載作品『家出ショタ魔王〜』が笑いを多く入れたギャグ作品である事と、その作品のコメントでよく「笑った!!」と言ってくださる方が有難いことに何名かいらっしゃって、
その内の一名の方に「どうしたらこんな発想が――」という旨のコメントを頂きまして、じゃあエッセイに私の書き方を書いてみようかな?
と思ったからです。
こんな偉そうに書いていますが、別に大した事やテクニックがある訳でもないので、その辺はご了承頂けると幸いです。
では早速私の笑いの書き方、というか書く上で特に大事にしている事をお伝えしていこうと思います。
◇
私が一番大事にしている事。
それは『会話の中で自然に笑わせる事』です。
なぜ私がコレを大事にしているかと言うと、私が書いているのが『小説』だからです。
小説は漫画とは違い、絵がありません。
したがって漫画では絵で表現出来るキャラクターの変な顔や動きも、小説では文字だけで表現しなければなりません。
いくら書き手の文章を書く能力が優れていたとして、文字だけで動きや表情を表現する事が出来たとしても、それだけで笑いに昇華するのは至難の業でしょう。
では自然な会話の流れで笑いを作り出すにはどうすればいいのか。
それをこれから具体的に順を追って説明していきますね。
◇
まず一つ目のポイントとして、読者の方に【ボケ】と【ツッコミ】という役割を持つキャラクターをはっきりとわからせる必要があります。
そうしなければキャラクターがせっかくボケても、突然訳の分からない事を言い始めただけになってしまうからです。
例えばお笑い芸人の漫才やコントで皆さんも笑われた経験があると思いますが、その時の事をよく思い出してみて下さい。
ほぼ必ずと言っていい程、どちらがボケで、どちらがツッコミなのかハッキリさせていますよね。
笑いのプロですら、そうして役割をしっかりと見ている人にわからせているのですから。私達作家の端くれもそれに習わないと当然、笑いは作り辛くなりますよね。
因みに私の作品で恐縮ですが、『家出ショタ魔王〜』でいうと、
主人公のエルは基本【ツッコミ】(たまにボケ)
他全員が【ボケ】という役割です。
とはいえ、私の場合はギャグ作品ですのでここまで極端に振っていますが、普通の作品(ギャグ作品と銘打っていない)なら半々くらいの割合で良いかと思います。
◇
では次にどのようにしてその役割を読者の方にわからせるかですが。
ここで大事になって来るのが本日二つ目のポイント【掴み】です。
掴みとは何か――
それはお笑いで言う所の出始めの挨拶、小説で言う所のエピソードの初めや、作品の最初でのキャラ付けです。
とにかく『最初』にこの話では、この作品では、このキャラクターが【ボケ】で、このキャラクターが【ツッコミ】ですよーと読者の方にわかって貰えるような文章を短くても良いので入れてみましょう。
例えば一人のキャラクターがトンチンカンな事を言ったとします。
そこへもう一人のキャラクターが「お前は本当に馬鹿だなー」とでも言わせておけば良いのです。
それだけで【ボケキャラクター】の大抵のボケはすんなりと受け入れられる事でしょう。
加えて「馬鹿だなー」と言わせた方のキャラクターが自然と【ツッコミキャラクター】として浸透していきます。
前後逆になってしまいましたが、ここまでで物語やエピソードの始めの【掴み】でキャラクターの【ボケ】と【ツッコミ】の役割を読者の方にわかって貰う事の重要性を理解して頂いたと思います。
それでは次に笑い作りはフェーズ2へと移行します。
◇
掴みによってボケとツッコミをハッキリとさせた上で物語を書いていくと、特にボケキャラクターが勝手に動き出したり喋ったりするかと思います。
若しくはボケさせ易くなっているかと思います。
ただし、ここで間違ってはいけないのがポイントの三つ目【無理にボケさせないこと】です。
無理にボケさせるとは一体何なのか。
ではここで良い例と悪い例をあげて解説して行きたいと思います。
皆さんもこの例の何が良くて、何が悪いのか、予想しながら読んでみて下さい。
※ツッコミキャラは【ツ】、ボケキャラは【ボ】と表記します。
『良い例』
【ツ】今日は晴れてよかったねー!
【ボ】でもこの国、晴れの日の方が多いからなー。
【ツ】何でそんなこと言うの!?⠀有難みが薄れるわ!
『悪い例』
【ツ】今日は晴れて良かったねー!
【ボ】本当だね。こんなに晴れてたら僕ハゲちゃうよー。
【ツ】え、何で?
如何でしょうか?
何が良くて、何が悪かったかわかりましたか?
では解説していきますね。
予想して下さった方は答え合わせです。
ではまず良い例。
これは自然な会話を壊さず、上手くボケていますよね。
会話の流れに沿っているからツッコミもスムーズに対応しています。
ですがこのボケキャラクター、実はボケようとしてこのセリフを言っていないのですよね。
察しのいい方ならわかると思いますが、コレはそういう事を平気で言うキャラクターだからこそ出た【自然な言葉(ボケ)】なのです。
これが本当に重要で、キャラクターの性格などに沿って自然に出た世間とズレた言葉は簡単にボケになり、全く無理矢理には見えなくなります。
では次に悪い例。
こちらは天気の話からいきなりハゲの話に変わっていますよね。
これはボケキャラクターに無理矢理ボケさせようとして、自然な会話をぶち壊し読者の方を困惑させて結果スベるという典型的な悪い例になっています。
ですが、これにしっかりとした【フリ】があれば笑いに変えることが可能です。
それについてはこのフェーズの次にお話しようと思います。
そ・の・前・に・!
これだけではあまりにも笑いとしては薄いような気がしますよね。
それもそのはず、自然な会話を意識して笑い所を作ろうとすると、どうしても無理が生じてしまう時があります。
なんの脈略も無い会話の中でボケるのはそれこそ難しいです。
天気の話題など正にそうで、ここで笑わせようなんて誰も思いもしないからです。
でもここでどうしても笑い所を作りたい!!
そういう方の為にとっておきの秘策、裏技があります。
それは先程悪い例の時に上げた【フリ】です。
では、それを次のフェーズで解説していきます。
◇
お待たせしました。
ではその秘策、裏技について説明していきます。
まずは秘策です。
こちらは先程少しあげた【フリ】。
それにプラスして【オチ】をつけてあげると割と簡単に笑い所を作る事が出来ます。
笑いにおいてのフリとオチとは何か。
簡単に説明すると、【フリ】とは所謂前フリで、読者の方が持っている共通認識の事です。
次に【オチ】とはその共通認識を裏切るような話の締めくくり方の事をいいます。
つまり共通認識が通用する会話の中で、それを裏切る展開を作り、そこへ上手く誘導し、しっかりとオチを付けるという事です。
では、ここで先程の悪い例に読者の方との共通認識を付け加えた上で読み直してみましょう。
『例』
ボケキャラクターは元から綺麗な坊主頭で毎日バリカンで刈り上げていて、所謂ハゲキャラ。
という共通認識を付け加えます。
【ツ】今日は晴れて良かったねー!
【ボ】本当だね。こんなに晴れてたら僕ハゲちゃうよー。
【ツ】いや、元からだろ! ていうかそんな綺麗な坊主頭だったらハゲても誰もわからんわ!
どうでしょうか?
元から坊主頭でハゲ扱いされているという【フリ】を付け加えるだけで、ツッコミキャラクターのツッコミでしっかりと【オチ】を付けられたと思いませんか?
こういった共通認識を【掴み】やキャラクターの性格で読者の方との間に作り上げていけば、簡単に笑い所を作る事が出来ます。
では次に裏技です。
これは単純な話なのですが、端的に言うと。
【ボケで笑わせるのではなく、ツッコミで笑わせる】という事です。
どういう意味?
と思った方の為に説明します。
ボケで笑わせようとすると、多少なりとも計算や話の流れを汲み取るなど、色々と考えなければなりません。
先程も申し上げた通り、それを文章(会話)だけで構成するのは至難の業です。
ですがツッコミで笑わせるのは意外と簡単です。
ツッコミとは本来、その話を聞いている人の気持ちを代弁しているものですから、書き手、若しくは読者の方の気持ちをそのままツッコミキャラクターに言わせればいいのです。
それで笑いになるの?
と思われている方。
良く思い返してみてください。
あなたが普段生活していて、ポロッと口からツッコミフレーズが出てしまう、もしくは心の中で思ってしまうことってありませんか?
その時、あなたは笑っていませんか?
少なくともクスッとしたり、半笑いしている事でしょう。(そうとは限らんやろ)
例えば私が普段の生活でよく口にする「いや、そうはならんやろwww」は笑いながら発している事が多いです。
因みにこのエッセイで私が多用する()←この中に書かれている言葉は全てツッコミフレーズのつもりです。
皆さんも笑いながらツッコミフレーズを言っている事はありませんか?
一度声に出して言ってみましょうか。
ほら、恥ずかしがらずに。
さぁ、元気よく!
もっともっと大きな声で!!
今すぐに心の内をさらけだしましょう!!!!
何を恥ずかしがっているんですか!!?
早く言って!!
『いや、うるさいわwww もうええってw』
皆さん、今の私の愚行にこう思われたのではないでしょうか?
これが読者様の気持ちの代弁であり、ツッコミで笑わせるという本質です。
これを上手く利用すれば、簡単に笑い所を作る事が出来ます。
適当にボケキャラクターに変な事を言わせてみてください。
例えば一人の強気な関西弁の女性キャラクターが「白って200色あんねん」と言ったとします。
それに対しての読者の方や書き手の気持ちとしては、「いや、知らん!」とか「どうでもえぇわ!」とか「だから何!?」だと思います。
この気持ちが既にツッコミワードになっていますからそのままツッコミキャラクターに言わせるだけで、ボケとツッコミが成立して笑いになります。
皆さんも今度やってみて下さい。
簡単ですよ。
◇
まとめ
ここまで長々と解説して来ましたが、笑い所を作る上で重要なのは以下の通りです。
1.まず読者の方に【掴み】でキャラクターそれぞれに【ボケ】と【ツッコミ】の役割を理解してもらう。
2.その後、そのキャラクター同士の会話の中で【無理にボケさせるのではなく】、自然な流れでボケさせ、ツッコミを入れる。
3.それでも難しい様なら、秘策の【フリ、オチ】や裏技の【お気持ち代弁ツッコミ】を使って笑い所を作る。
これらを上手く使えば、割と簡単にあまりに頭を使う事なく笑い所を作る事が出来ると思います。
これらはすぐに使い始める事が出来ますが、既に連載中の作品にいきなり付け加えるのは少々注意が必要です。
特にボケキャラクターを決める際は、元のキャラがブレないかを慎重に見極めて使用して下さい。
私の主観ですが、ボケキャラクターはアホとか天然とかドSとか、所謂世間と少しズレた感性を持つキャラがいいと思います。
その世間とのギャップをボケにして、常識人のキャラクターにツッコミフレーズを言わせると割とサマになる印象です。
是非一度お試し下さい。
それではまた( ´ ▽ ` )ノ
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