第24話 祝いのキャンプファイヤー
「おーい!ロマーニさーん!!」
遠くから走ってきたのは、リサとエルザだった。
「リサちゃん!エルザちゃん!アランくんは?」
「今ローズさんに治療してもらってます!大体30分くらいかかるみたいですけど…」
「そっか…結構な傷だったからね…」
「ねぇ、ロマーニさん。その二人は?」
エルザはロマーニの後ろにいる二人の方を見てそうロマーニに問いかける。
「あぁ、この二人は俺の家族のレイラとアイサだ!それで、この二人がディオゲインとベガッジを倒すのを手伝ってくれたリサちゃんとエルザちゃん!あとはアランくんって言う子も居るんだけど…今は治療中」
ロマーニがそう言うと、レイラとアイサは頭を下げる。
「良かった…無事だったんですね!」
「あぁ、良かったよ…!そうだ!町の人たちも全員確認が取れたよ!怪我人は少しいるけど…一応は全員無事だった!それと、ディオゲインは町の男の人たちが勇者団の第四支部まで連れて行ったよ!」
「良かったぁ…これで一安心ですね!」
「あぁ。どれもこれも、君たちのおかげだよ!本当にありがとう!!」
ロマーニは深々と頭を下げる。
「いえ、いいんですよ!私たちが好きでやってることですし。それに、あいつらに腹が立ったてのもありますしね!」
「君たちは本当に心優しいね…。そうだ、お礼と言ってはなんだけど、今日、町のみんなで君たちに感謝の意を込めてキャンプファイヤーをやろうって話してたんだ!町の復興の気合い入れの意味も含めてね。どう?大丈夫かい?」
リサとエルザは顔を見合わせる。
そしてニヤッと笑い大きく頷いた。
「もちろんです!」
「キャンプファイヤー大好きだよ!」
「良かった…とりあえずアランくんが起きるまでは待機だね…。そうだ!君たちの話を聞かせてくれよ。なんで旅をしてるのか、とか気になってたんだ」
「はい、もちろんです!」
ーーーーーーーー
「そうか…君たちは勇者団を目指してるのか…」
「はい、そうなんです。ま、エルザは違うらしいんですけど…」
「そうなの?」
「まぁ、私はなんとなくついてきたって感じですね!この人達といると面白そうだなって思って!」
「ははは!それは確かにそうだね!アランくんとリサちゃんといれば退屈しなさそうだ!」
三人は崩れた民家の軒下に座り談笑をしていた。
「…まぁ、君たちならなれるよ。勇者団に」
「本当ですか!?」
「うん、少なくともここら辺を担当してる第四支部の奴らよりは勇者だよ」
「…やっぱり第四支部って何かあるんですか?」
「…これは俺の考えだから絶対では無いんだけど、恐らく奴らは暗黒騎士団と繋がってる。下手したら、ディオゲイン達ともね」
「ディオゲイン達とも…!?」
「うん、その可能性はある。こっそり聞いた会話なんだけど、ディオゲイン達は暗黒騎士団に黒耀鉄ブラックメタルを横流ししてたみたいなんだ。だから、暗黒騎士団と第四支部が繋がっていれば、自ずとディオゲイン達とも繋がりがあると思えてきたんだ…」
「確かにそうですね…だとしたらかなり厄介ですけど」
「うん。…まぁ勇者団の本部が第四支部の連中をいつまでも放置しておくとは思えないから大丈夫だろうけど…。今確か本隊は獣人族じゅうじんぞくとの戦争の真っ只中でこっちに回す戦力はあんまりなさそうだから…」
「なるほど…だからレオンさんもすぐ帰っちゃったんだ…」
「ま、今そんなこと考えるのはやめよう!さらに疲れが増すだけだからね!俺はキャンプファイヤーの準備を手伝ってくるよ。君たちはアランくんの様子を見てきてくれ!」
「はい!」
ーーーーーーーー
「ローズさーん!」
2人は小屋に入る。
すると、アランは起き上がりスープを飲んでいた。
「あっ、アラン!起きたんだね!」
「もう、無茶しすぎよ!」
「2人とも!良かった、エルザも無事だったんだな!」
「うん、元気ピンピン!」
「あはは、それなら良かった!」
エルザはアランの方へ近づきアランとハイタッチする。
「ローズさん、ありがとうございました!」
「いいんじゃよ…わしにはこれくらいしかできんからな」
「そんな…。あ、そうだ!この後ロマーニさんが町の人たちを集めてキャンプファイヤーをやるって!アラン大丈夫?」
「おぉ!キャンプファイヤーか!久しぶりだなぁ!大丈夫だ!!」
そう言うと、アランはベッドから飛び降りる。
すると、体にズキズキと痛みが走る。
「いててて!!?」
「こら、まだ無理をするな…。傷は塞がったが完全に治ったわけじゃ無いんじゃ」
「は、はーい…」
アランはテヘヘと頭を掻き、剣を背中にかける。
「ねぇ、ローズさんも行きましょうよ!せっかくだし!」
「は?わしも?」
「はい。だって、ローズさん元々ミネラバのひとだったんでしょ?ロマーニさんとも知り合いみたいだったし…」
「まぁそうじゃが…今更いくのは…」
「行きましょうよ!人数は多い方が楽しいし!」
「そうそう!みんなでやったら楽しいですよ!」
「…はぁ、分かった分かった。わしもいく。アランが無理せんか見張っとらんといかんしな」
「やった!行きましょう!」
四人は森を抜け、ミネラバへ向かった。
ーーーーーーーー
ミネラバに着いたときには、すでに日が傾き始めあたりは夕焼けで赤く染まり始めていた。
「おーい!みんなー!」
走ってきたのはロマーニだった。
「あ、アランくん!もう平気なのか?」
「はい、元気ピンピンです!」
「そうか…って、ローズさん!ローズさんも来たんですか?」
「なんじゃ?来ちゃ悪かったか?」
「あ、いえ、珍しいなって…さ、そんなことよりもう準備万端だ!広場でやるから一緒に行こう!」
ーーーーーーーー
「うわぁ…」
広場には、巨大な木で組まれたキャンプファイヤーが堂々と炎を燃やしていた。
その周りには、ロマーニやローズと同じ民族衣装を身につけた人々が沢山立っていた。
「みんなー!!聞いてくれー!!この三人がディオゲインを倒してくれたアランくん、リサちゃん、エルザちゃんだ!!」
「ヒュー!英雄さんの登場だ!!」
「ありがとー!あんたのおかげで正気を取り戻したよー!!」
「ディオゲインに勝てるなんて、強いなー!!」
広場から様々な歓声が聞こえてくる。
三人は照れながら頭を下げた。
「さぁ、町はめちゃくちゃになったが…そんなこと今は忘れて楽しもうぜ!!」
「うぉぉぉお!!!」
ロマーニの掛け声とともに、キャンプファイヤーは始まった。
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「あははは!久しぶりだぜ…キャンプファイヤーなんて!」
「さぁ、食って飲みな!英雄さんよぉ!今日の主役はあんたらなんだからなぁ!」
「えぇ、遠慮なく!」
そう言うと、アランはバクバクと串に刺さった肉を食べていく。エルザも同じように料理をバクバクと頬張っていた。
「全く、よく食べるわね…あの2人」
リサは2人の様子を後ろから見守っていた。
「リサちゃん、ここを出たら次はブラウンハーバーに行くのかい?」
「そうですね…次はブラウンハーバーを目指します」
「そっか…。勇者団の本拠地まではブラウンリバーを渡ればすぐに着くはず。…これからも大変だろうけど、頑張ってね。俺たちも応援してるからさ」
「ロマーニさん…ありがとうございます。私たち、絶対勇者になってまたミネラバに会いに来ます!」
「うん、俺たちも待ってるよ!」
リサとロマーニはギュッと握手を交わし、ニコッと笑った。
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「ふぅ、食った食った…」
「お腹いっぱいだね…」
アランとエルザは満足そうな顔を浮かべ、キャンプファイヤーの前に座っていた。
「アランくん、リサちゃん、エルザちゃん!今日泊まっていきなよ!無事な家がいくつかあるから、そこをかすよ!」
「いいんですか?」
「当たり前だよ。君たちには助けてもらった恩があるからね!」
「それじゃあ是非!」
こうして、アラン達の長い1日は終わりを告げたのだった…。
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"勇者団本拠地"地下牢獄…。
「はぁ、はぁ、今の情報が…全部だ…。もう話す事は…ない…。もう…やめて…くれ…!!」
薄暗い牢獄の中。木の椅子に縛られ、身体中から血を流していたのはベントスだった。
「だそうだよ、イリヤ。可哀想に…君はダンテに捨て駒として利用されたんだねぇ…。まさかあの街にダンテがいたとは思ってなかったけど…」
「うん、やっぱり…。レオンさん、第四支部には私が行きますよ」
そう言ったのは、少し癖のある白髪の糸目の男だった。
「私は恐らく第四支部に顔は知られてないし、それに"二番隊新副隊長"としてこの件は見過ごせません」
「うん、それが良さそうだな。でも、君だけじゃアレだからクリスも一緒に行かせるよ。二人で第四支部に入り込んで調査よろしく。もし何かあったらもうその場で拿捕していいから」
「はい、分かりました」
「第四支部か…意外な所に抜け目があったもんだねぇ…」
レオンははぁ、とため息を吐くとベントスを連れ牢獄を後にした。
続く。
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