どうやら幼馴染がアイドル学園に入った〜心配なので、一緒に入ります!〜
うさみみ宇佐美
プロローグ ルナの覚悟
10月、夏の暑さも段々と落ち着いてきて街はハロウィンに向けて活気に満ち溢れて来た頃
とあるマンションの一室
「あたし、アイドルになるんだ!」
そう誇らしげに語る少女
とても美しい美貌を持つ少女こそ、この部屋の主である
名を月ノ
右目に三日月、左目に半月のマークが生まれつき入っている彼女は、日本人の父とフランス人の母を持つハーフである
「ふ〜ん、そうなんだ、おめでとう」
そっけなく返事をする少年
中性的な見た目をしているが非常に整っている顔を持っている彼は
ルナの幼馴染である
「もう!何よその返事!運命の再会から……そして美少女幼馴染からのアイドル宣言……もっと喜びなさいよっ!」
「……おめでとう、ルナ……」
空はルナに一応祝福の言葉を掛ける、がしかし、内心ではとてもモヤモヤしていた
(ルナ、アイドルになるんだ……くっそ、ルナの特別になるために……)
実はこの空という男、ルナのことが大好きなのである
空は寮生活をしていたが、ルナは別の中学校に入ったので2人は会うことが少なかった
なんなら、2人最後に会ったのは2ヶ月前、夏休み期間中まで遡るのだ
「ルナ……ほんとにほんとにおめでとう、ボクは応援してるからね」
「空、あんたの推しの子になってや……」
「ルナ、今日、添い寝したい……お願い、ダメ?」
空はルナに上目遣いでお願いする
ルナはむむむっと唸るが、空の上目遣いの破壊力は男子だが凄まじく
「い、いいわよ!アイドルになるために、空で捨てたいモノもあるし……」
「ん?なんだい?ソレは?」
空は小首を傾げるが、ルナは顔を真っ赤にして、モジモジしながら空の手を掴んで
「し、し、……処女……」
「な、なんでそうなるのかなぁ!?」
空は困惑しながら、しかし自身が想いを寄せる少女からワンナイトの誘いがあったので満更でもなさそうな顔をしていた
「おやすみ、ルナ」
「こちらこそおやすみなさい空」
ルナの空で処女喪失発言は、ルナが勢いと冗談で言ったと、本当は恋人としたいと訂正された
その影響で空はルナが見てないところで泣いたのは秘密
「ルナ、ごめんね……ちょっとこうさせて……」
ぎゅっ
「ぁっ……ちょっと空、えっちだよ」
「ごめんね、ごめん、ごめん……」
「……辛いことあったんだね、あたしが全部受け止めてあげるから」
空がルナに添い寝を頼んで強く抱きしめる
それは空のSOSサインであった
「……いい、今のルナに言っちゃ、ダメ……」
「……わかったわかった、よしよし、あたしは空の味方だからね……」
そう言いながら、ルナは空の頭を優しく撫でる
限界が来たのか、空は泣いてしまう
(もう、泣き顔もかわいいわね、流石あたしの幼馴染)
そんなことをルナは思いつつ、
「ほら空、思う存分に泣いていいからね……」
空の涙は30分後におさまった
「ごめん、恥ずかしすぎる……おやすみ……」
そっけない返事をして、すぐに眠りに入った空
寝顔を見て
「ほんっとにかわいいわね、大好きよ、空……」
ルナは空の頬にキスをする
ルナも空のことが好きであった
すぅすぅと可愛らしい寝息を立てながらルナ、大好き……という寝言を口にする空を見て
「知ってるわよ、あたしたち両想い、なのよ?だからあたしが空のこと養えるようにしなくっちゃ……」
ルナは密かに有名アイドルになって空と結婚して空を養っていく
という覚悟を決めたのであった
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます