第32話 お知らせ

 蓮華は色々疲れて?いたのか死んだ様に寝ていた。そんな蓮華を見ていたヒスイとルリは、蓮華が起きないのはある意味トラウマだった。


「……その…ゴメン。二人共、もう起きたから……。そんなに泣きそうな顔をしないでくれるかな?」

「「……………っニャー/ナノー」」


 起きた蓮華が最初に見たのは、今にも泣きそうな二人だった。取り敢えず二人をあやしながら、二人が落ち着くのを話しかけながら待つ。



 それにしても……二人共、初めて会った時に私が中々起きなかったのが……トラウマ?ああいうのはあんまり無いって、ちゃんと言ったんだけどな……。

 まあ…、そのうちに慣れてくれるでしょ!……多分。



「ほら!そろそろ皆の所に行こ?」

「「ニャー/ナノー……」」

「今日の朝はホットケーキナノー……」

「!?みんなで焼いて食べるのニャー!!」


 ホットケーキを皆で焼いて食べる事を思い出したヒスイとルリはガッバっと、顔を上げて蓮華に支度を忙し、手を引いて食堂に駆ける様に歩いて行く。



 ◇◇◇◇◇


「おはようマスターとヒスイ・ルリ。もう大体、準備は終わってるぞ」

「おはようフレイ。ごめんね。私が中々起きられなかったから、遅くなっちゃった」


 蓮華は先に起きていたフレイ達に挨拶をして、準備が終わってると聞き急いで手を洗いに行く。


「さぁ~!今日も頑張って作っていこう!!」

「「ニャー/ナノー!!」」

「「うっ/んっ!!」」

「おー」


 蓮華の言葉に年下組がやる気満々で答えた。……その周りでパシャパシャと写真を真剣に撮っているフレイとセバスが居た。



 今日も気合い入ってるな~……フレイ達。気のせいじゃないなら…二人の持ってるカメラ……、昨日よりゴツイ?プロの人が使ってる様なカメラに見える。

 まあ…、そこは……、良いとして。後で写真貰お。そう言えば、プリンターは買ったのかな?そこそこいいお値段だったと思うんだけど……。ん~……、後で聞こう。


 取り敢えず、今は。お供え物と朝ごはんを作るのに集中しよ。

 メニューは大体、昨日と一緒だからだと思うんだけど……。ヒスイ達の綺麗だし早いね…作るの。あれ?もう慣れたの?ロンは最初からうまかったから置いといて、皆も同じ位になってない?



 蓮華が皆の作った物と見比べて、首を傾げて眉をひそめる。


「不思議だな~……。皆と同じ様に作ってるのにな~。今日も、私のは形がうまく出来ないの何で?」

「マスターは不器用でもあったのか……。今までどうやって生きて来たんだ?」

「……今どきはね?便利なものがいっぱいあるんだよ?」

「ハァ~……。これから、少しずつ練習をすれば良いのでは?」


 少し呆れの含んだ目を向けて来るフレイとセバスに、気まずそうに目を逸らす蓮華。年下組はそんな三人の事をニコニコ笑顔で見ていた。



 ◇◇◇◇◇


 それから、ワイワイとお供え物を作り終え。それを供え終えた蓮華達の所にユイとトワが、疲れた様な顔をして近づいて来た。


「?二人共、どうしたの?」

「お疲れニャ?」

「問題でもおきたノ?」


 心配そうに蓮華達が声を掛けるが二人は困った様に笑い。ユイが「お知らせする事がありまして……」と、言いにくそうに言った。



 え?二人共、何があったの?それに、そんなに言うのをためらう?様な、言いにくそうな雰囲気って……。

 そんなに、悪い事?が起きたのかな……。



「それが……ですね?今、地球が崩壊して強化と再構築中なんですけど……」

「調整が大丈夫か、一度試すそうなんです」

「?試す?誰が?」


 ユイとトワの話しにイヤなモノを感じて、蓮華が眉をひそめながら聞く。


「それは勿論。人間の方たちですね」

「もっと、言うなら。崩壊する時、地球に居た人達と地獄セットが10以下の人が対象なんですよ~」


 ユイとトワは調子が戻ったのか。それとも、やけくそなのか笑顔で声音を明るくしながらそう言った。


 二人の言葉に蓮華は首を傾げて、ステータスカードを出す。


『 ステータス


  名前 真壁 蓮華  


  HP???

  MP???


  スキル 分身


  従魔 あり 


  地獄セット 2セット   』



「…………また……変わった……ね?」

「神様方~……」

「この感じだと~、これからも~変わりそうですねぇ~」


 他の皆も自分のステータスを見始め「ああ……」と困惑した様な声をだし、ユイとトワの邪魔にならない様に口を閉じて待った。


「……コッホン。ステータスについては…今は置いときましょう。

 で、お試しが一か月後の予定です」

「最初は先程言った~地球に居た人達が対象ですので~。蓮華さん達はその次の次?ですかね~」

「その次の次?三回目?」

「そうですね。ただ、蓮華さんのセット数が増えたら変わりますけど……」


 ユイが言いにくそうに、目を逸らしながら言い。蓮華は不思議そうな顔をしながら話しを聞いていた。



 ん?何でそんなに言いにくそうなのかな?イヤ、そんな簡単にセット数を増やさないと……。

 あ!?分身!?そのおかげで昨日はダンジョンポイントが百万以上いったんだった!?って、事は?地獄ポイントの方もそこそこ貯まってる?分身でも良いの?イヤ、分身はスキルだから良いのか……。

 なら、分身スキルをもっと強化して…ポイントを稼ごうかな。だって……、私だけだと何年あっても貯まらないと思うから……。


 まぁ、今は私の運動神経の無さをどうこう言ってても……仕方ない…から。自分で言ってて…悲しくなってきたし。


 私の場合、分身達のポイントは勿論。ヒスイ達のポイントが少し、私に入ってるみたいなんだよね。おかげで、運動神経が無い私でもポイントが貯まっているんだよ。


 え!もしかして、私の運動神経の無さにガチャが?だから…体力とか瞬発とか、こう運動神経の関係の物ばっかなの?後、魔力もだけど、当たるの……は。


 ん~……。もし、そうでも。もう少し…スキルは欲しいかな?例え、神様達にもスキルが当たらない的な事を言われてても!!



「セット数が増えても一か二位でしょ。

 それより、ガチャでスキルが当たる様にならないかな?

 地球に戻るなら、生き残る為にも…も~少しスキルが無いと色々不安なんだけど?」


 少しの期待を込めた目でユイとトワを見る蓮華に、見詰められた二人は顔だけじゃ無く身体ごと逸らし無言で答え。ヒスイとルリは悟りを開いた様な表情をして、蓮華に向けて手を合わせ。フレイ達も何とも言えない表情で蓮華の事を見ていた。

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よくある?日本にスキル・魔法とダンジョンが実装されます。チュートリアルは異空間で? 月宮 卯月 @usa2siro6

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