第14話 ……おはようございます

 イデアが食べ終えてから、皆で何だかんだ……キャッキャッと騒いだりして。イヤ〜、楽しかったな~。


 テレビが有ったからつい、青いタヌキの様な猫型が未来からくるアニメとか、ポケットなモンスターのマスターになりたい少年のアニメを二~三は位見ちゃったよね……?他にも見て貰いたい物は有るけど……。いっぺんには、見れないし……。


 そんなこんなで………。ハイ!寝落ちしました。皆して……。

 イヤ〜……。ちゃんとね?部屋に行って、ベッドで寝ようとは……思ってたんだよ?出来なかったけど……さ……。


 さて、何で私がツラツラと、昨日?の事を脳内で思い返し、戸惑い現実逃避気味になっているか……。

 それは………、確かに私が最後に寝落ちしたはず……だったのに、私含め全員に…毛布が掛けられていたから……、でした!?

 因みに私は掛けてないよ?興奮してたヒスイとルリが寝落ちして、私も力尽きたし……。



「マスター。おはようございます」


 蓮華は後から急に声を掛けられて、反射的に振り返り、挨拶を返した。


「え?おはようございます?」

「他の皆様も、今から起こしますので。マスターもちゃんと起きてくださいね?」

「……筋肉痛で動けないんだけど?日頃の運動不足で……辛い…。後、貴方…誰?何で居るの?」


 身体中が筋肉痛でへばっている蓮華は、目の前のオバケ?執事?が誰で、どうして此処に居るのか分からず、軽く混乱した。


「ああ。はい。私は、神様方曰く……。その……、迷惑料代わりと早く異空間に行ってもらう為の、お世話係です……。

 贈られたのは執事とメイド、それからシェフですね。

 仮契約を今してもらい、本契約は異空間に行ってから………。と神様方に言われていますので、後程仮契約をお願いします」

「あ?はい。………と、言う事は……。君が執事で、メイドは……、フレイとイデアを起こしてるんだ?じゃあ……」


 執事の説明を聞き、良く分からないまま、了承する蓮華。そして周りを見てみると、確かにメイド?がフレイ達を起こしている所だった。


「はい。シェフは食事の準備をしています」


 キョロキョロとシェフを探して居る蓮華に、執事がシェフが何をしているか言った。


「?ーーあれ?食材は?」

「特別に頂いてます。取り敢えず、食事をして下さい」


 と、おばけな執事が何かしたのか、蓮華の身体がふわっと浮き、そのままふわふわと移動してテーブルまで行った。



 お~~!!何だか…不思議な感覚……!!それに、これは楽だな~。

 他の皆は?……あ、ヒスイとルリも私みたいに浮いてる。フレイとイデアは……、もう起きて、テーブルに着いてるんだ。


 イデアの顔色は……、平気かな?



「え~と、皆。おはよう」

「おはよう、マスター。それは、どういう状態だ?」

「おはようマスター。何で浮いてるの?」


 浮いている蓮華を見た、フレイとイデアは驚き目を見開く。


「あ~、筋肉痛で動けない……から」


 蓮華が言いながらチラっとおばけな執事を見た。


「マスターにこう言われたので、念力で浮かしてます。後、そこの二人は、いい加減起きて下さい!!」


 最後の方は、ヒスイとルリの耳元で大きな声を出したから、ビックっと跳ねるように起きたが、二人も浮いているので、二人はパニックを起こして暴れだす。


「お~い!二人共!大丈夫だから!!落ち着いてー!!」


 蓮華は声を掛け、フレイとイデアが落ち着く様に頭や背中を撫で、二人を落ち着かせ様としる。



「申し訳ありません。椅子に下ろしてから、起こせば良かったですね………」

「それは、それで、今度は椅子から落ちてたかも……?」


 あれから暫くして、落ち着いた二人は、ガッシリと蓮華にくッ付いて離れなかった。

 なので、最初に着いたテーブルじゃあ無く、畳の和室の部屋に皆で移動した。



 あ〜、浮いてるのに驚いて、おばけな執事に驚いて、もしかして……今日は、このまま…何て事は無いよね?ヒスイ、ルリ?

 ちょっとフレイ?イデアがオロオロしてるのを可愛い者を見るの止めない?と、言うか!私達を呆れた顔で見るのも止めてよね!?


 後ヒスイとルリ?お願いだから……抱き付くのは良いけど……、も〜ちょっと、その……腕と手に入ってる力…抜いてくれない……?



「ほ〜ら?ヒスイ、ルリ?そろそろご飯にしよ?」


 暫くしてヒスイとルリはモゾモゾと動き出し、蓮華に抱き着いたまま皆に挨拶をする。


「「おはようニャー/ナノー」」


 それからジッーーとおばけな執事に目が釘付けになる二人、そんな二人に釣られて他の三人もそちらに目を向けた。


 そこには、おばけな執事以外にも、メイドとシェフも揃っていた。


「皆様がお揃いになったので、改めまして。

 神様方からマスター達のお世話係として、派遣されました。

 おばけ 執事・メイド・シェフです。

 これから、よろしくお願いいたします。」


 執事が言い終わるとぺこりと頭を下げ、それに続いて他の二人もぺこりと頭を下げる。


「うん。こちらこそよろしくね~!」

「「よろしくニャー/ナノー」」

「よろしく。それにしても……マスター、神様方に問題児と認定せれたな…」

「よ、よろしくね」


 さっきまで、暴れてたヒスイとルリがおばけな執事達をジッーーと観察し始め。気になるのかソワソワして、近寄ろうかと悩んでるみたいだ。


 そんな二人の様子を蓮華達がほっこりと和む。



 やっぱりヒスイとルリは可愛いな~。それに、見てると和むんだよな~。

 私だけじゃなく皆も顔が緩んでる。


「ヒスイとルリ?おばけな執事達が気になるのは、分かるけど……。

 先に朝ごはんにしない?」


 ソワソワしていた二人がハッとなって、


「「ご飯ニャー/ナノー!!」」


 パァーーと笑顔になり背後も輝き出して、おばけな執事の方を見てご飯が何か、今度はワクワクしながら待っていた。



 あ、れー?何時からヒスイとルリは食いしん坊さんになったのかな?

 昨日?寝る前のご飯ちゃんと食べたし?何ならビデオ見てた時も、お菓子を結構食べてたよね?二人共……。



「えー、今日の朝ごはんは、和食で鮭の塩焼きと玉子焼き、それと豆腐とわかめの味噌汁と白米ですね」

「わー!和食だー!!」

「「わーー!!ニャー/ナノー!!」」


 蓮華はふっと、フレイとイデアの方を気にして見る。


 イデアもソワソワして早く食べたそうにしているし、フレイはそんなイデアを微笑ましそうに見ていた。


 皆が席に着いてるのを確かめて、もう一度皆の顔を見回した蓮華は、両手を合わせる。そして、頷く。


「じゃあ!いただきます」

「「「「いただきます。/ニャー/ナノ!」」」」



 あ~。皆さん、いただきます。と言ってみたけど……。イヤ、皆さんって誰さ…。

 まぁ、巫山戯たくもなるよね……?だってさ?今の私は……、筋肉痛で指の一本も動かせないんだもん!?……だから、食べられてないんだよね……。


 皆?皆はちゃんと食べ始めてるよ?私の目の前で……。「美味しい!?」ってびくりしらがら……。

 私も食べたいんだけど!?


 おばけな執事さん?メイドさん?どっちでも良いから食べさせて~~!?

 私も!早く食べたいのーー!?え?そんな、慌てなくても?イヤ、慌てるよ?

 だって……、私のご飯をジッーーと見ている子達が居るから…ね!?


 蓮華だけジタバタしておばけな執事達と話している。その横で、キラキラした目で食べていたが、期待した目を蓮華のご飯に向けるヒスイとルリ、それに…イデアも意外だが向けていた。


「あ~~!やっと!!食べれたー!ん~、美味しい~」


 おばけな執事達に介護されながら食べさせてもらう蓮華を見た、ヒスイとルリとイデアの三人はションボリとしてご飯を食べ続ける。


 そんな三人を見た他の人達は、顔を見合わせて笑う。


「……執事さん、あそこのションボリしている三人にお代わり出せる?」

「フフッ、はい。ッす、直ぐに、用意させますッ」


 三人はそれからもう一回お代わりして、皆の朝ごはん終わった。

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