魔王が滅んだはずの世界で私は女神になった。

灯台下暗し

第1話 目覚め

「大丈夫ですか?」


 子供の声で私は目を覚ました。

全身の倦怠感で体を動かすことはできない。


「起きた?」


 ぼやけた焦点を合わせて目の前の声の主の姿を捉える。

しかし、目の前にいたのは人間ではなかった。


「……あっ……いっつ」


 何とか体を動かそうと躍起になるが、指一本はおろか声も出ない。


「おーい、大丈夫かー」


 遠くで声が聞こえる。

恐らく目の前の魔物の仲間だろうか。

私の命運もここまでのようで……。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る