初恋のアネモネ
ようよう
プロローグ
もしも、同じ時間をやり直せるとなったら何をするだろう。やったことのないことを試してみるのか、前回と同じような時間をただ繰り返すのか、はたまた同じ時間を繰り返すのかと無気力に過ごすのか。
多くは自分の満足のいくような結果になるよう奮闘するだろう。私も後悔のない、満足のいく結果にたどり着けるように繰り返してきた。
春の陽気に包まれ暖かい日が差し込んだこの教室を、私はもう何度も繰り返し見てきた。スマホに表示された『四月二十三日』という文字はもう見飽きてしまった。私は何度この光景を目にしなければならないのだろう。それを考えるとうんざりしてくる。
しかし泣き言も言っていられない。私にはもう後がない。今度こそ後悔しない選択をしなければならない。もう間違えることは許されない。
私は両手で頬を一度パシッと叩き、決意を新たに一歩踏み出す。それと同時に後ろの扉がゆっくりと開けられる。それにあたかも突然の出来事に何が起こるのだろうと驚いているように見せ振り返る。
ここからの私は『四月二十三日からの三ヶ月を初めて体験する桃城遥花』を演じる私。
これは、この三ヶ月を後悔のないようにする、悔いの残らない人生にするための私の物語。
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