なんて皮肉な、肉料理
腹いっぱいにメシを食べられれば天国だっていうのは、あながち間違っていない。ここにいれば食うには困らない。朝から晩までステーキにローストビーフ、トンカツに馬刺しに牛丼。肉料理なら、なんでもございだ。
だが、腹いっぱいになっちゃぁいけない。腹が満たされれば、連れていかれる。ここでのルールはシンプルだ。「腹が減っては戦はできぬ」だ。逆をかえせば、「腹が満ちれば戦はできる」ということだ。「お腹いっぱい」「もう食えない」「ごちそうさま」と言ってしまい戦地に送られていった仲間はゴマンといる。
戦地で死んでいったやつらは、ここの戦死部隊によって回収される。昨日は全身龍のタトゥーの爺さんが、食いすぎで死んでた。戦地に行かなくても死ぬなんて。今日は朝から焼き肉だ。ロースにカルビ、タンまである。
ん、このタン模様がついてないか?龍が焼き網の上で踊ってる。そういうことか、肉ばかり食わされていたのは。なんて皮肉な話だ。
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